銀盤の舞-フィギュアスケートエトセトラ-

スポナビ+ブログから引っ越してきました。

「引退」したことにやっと納得出来たー鈴木明子の講演を聞いて-

去る12月8日(火)、18:30~20:30(開場18:00)

いわて県民情報交流センター 7階 アイーナホールにて、「希望郷いわて国体 冬季大会50日前・本大会300日前 記念イベント」と称して、ボランティア団結式が開催された。

希望郷いわて国体・希望郷いわて大会盛岡市実行委員会と盛岡市が主催したものであるが、この団結式の閉会前のフィナーレを飾る時間帯に、鈴木明子の講演が行われた。

リンク以外での、鈴木明子を見るのも声を聞くのも初めてのことだったので、違った意味で楽しみに当日を迎えた。

鈴木明子の語り口調と言えば、テレビで聞いている分にはどちらかと言えば「ゆっくり」話すイメージがあったのだが、講演では緊張があったのか割と早口目で、しかもあまり息継ぎがなく、汽笛がポッポッポ~とキレッキレにあがってゆくようなとでも言えばいいだろうか、あまり間をあけることなく言葉を紡いでいっていた。(このあたりは、喋りのプロじゃないので、まぁ、良しとするか…。)

次から次と出てくる言葉をしっかり耳に心に焼き付けねばという思いで聞いていたが、登場した時から終始「あっこスマイル」で場を和ませてくれたのはさすがだなと感じながら、鈴木明子の言葉を聞いて、今更かも知れないが、いちファンとして やっと「引退」したことに納得出来た そんな気持ちがした。岩手県民としては申し訳ないが、ボランティア団結式よりも鈴木明子の講演が目的で出向いたのだが、聞きに行って良かったと改めて感じた。

私の中で印象に残っている言葉をいくつかピックアップしたい。

(私の記憶力の関係上、1文字1句発言通りというわけにはいかないけれど、意味を変えずに要約しているのでご了承のほどを。)

● 石橋を叩いて叩いて叩いて渡れなくしてしまっていたタイプだったけれど、そんな恐がりの私が、引退後は様々な分野の仕事に呼んでもらい、初めはどうしようかと思った。失敗したらどうしようと…。でも、私に依頼してきてくれたということは、鈴木明子に何らかを期待して声をかけてくれたのだと。周囲が背中を押してくれたこともあって、今は 逃げずに色々な分野に挑戦しています。

● 未知の分野だから、分からないから恐いからと、失敗を恐れていたのでは、前へ進めない。

● 思い切って前へ踏み出したことで、新たな出会いがあったり新しい発見があったりするので、失敗を恐れて守りに入りすぎちゃいけない。なぜなら、勿体ないから。

● 過去には戻れないけど、これから未来をつくっていける、新しい自分をつくりだすことは出来る。

● 今でも周囲から「まだやれるんじゃない?」と言われるけれど、「まだやれるんじゃない?」と思われるうちに引退したかった。

● バンクーバー五輪後、(引退の)ゴールを決めずに「まず1年、また1年」と1年1年を大事に進んできたものの、ゴールを決めずに突き進むことの難しさを肌で感じていた。どこまで頑張ったらいいんだろう?と。目の前にゴールがあれば、そこを目指せばいいわけで。

● 引退するまでの後半2年間(←確か2年て言ってたと思われる。)は、ベストな時期から言えば、正直、落ちてきていた。

● 選手として、「やり尽くした」という思いがあるので、今復帰したいとは全く思わない。悔いがないんです。

時間にして、およそ40分間から45分間くらいだったと思う。

よく年を重ねていくと「早口が聞き取りにくくなる」とはよく聞くが、御多分に漏れず私もその口だろうか(苦笑)。少し早口気味の鈴木明子の言葉をとにかく漏らすまいと耳を傾けていたが、本を1冊読んだような気分だった。

私自身を癒すことが出来、また、引退したことを今更ながらファンとして認められたというか、「うん、あっこちゃん、あの時引退して良かったんだね。」と、納得出来た気がした。なんて変な言い方かも知れないが…。

選手時代は敢えてメディアへの露出を控えていた部分もあったようだが、今じゃ織田信成ともども大活躍である。

鈴木明子が引退を発表した当時、職場の同僚に言われた言葉…「鈴木明子って、引退して何するの?需要あるの?」

名選手が必ずしも名監督になれるわけじゃないとは、野球の世界でよく言われたように、選手として決して派手ではなかったし、目立たなかったかも知れないが、病気をしたこと、病気を克服したこと、天才ではなかったこと、スケート場の貸し靴担当の仕事をしていたりと、鈴木明子の経験は、一般人にも大いに役立てることが出来る、一般人にも通じる部分があると感じている。

むしろ、引退後の今の方が、需要は大きい。

振付師としても、今年第1歩を歩みだした。

余談だが、おでこに小さなほくろがあるようで、このほくろは、「何をやっても成功する」という素晴らしいほくろだそうな。

いい仲間に囲まれたことも鈴木明子の大きな財産となっている。本当に人に恵まれているなと感じる。

第二の人生、応援している。いい話を聞かせてくれて、ありがとう。

ガンバー!!

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というわけで、今年の「銀盤の舞-フィギュアスケートエトセトラ-」のブログ更新は、本日でおそらく最後となります。

ブログ解説以来、最もブログ更新をしない日が多かった年となってしまいましたが、全日本選手権で久しぶりにテレビ画面にかじりついて応援することが出来て、それが1年の締めくくりの全日本で良かったなと思います。

1年間、どうもありがとうございました。

皆さま、よいお年を~!!