銀盤の舞-フィギュアスケートエトセトラ-

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ピョンチャン五輪 男子シングル-凄い時代が来たな…-

表彰台の3名の総合得点が、全て300点超えなんて!

バンクーバー五輪の頃、そんなことが想像出来ただろうか…?

物凄いハイレベルな戦いになった、男子シングルフリー。

ショートプログラムは平日の放映だったため、日本人選手以外の演技を全く見ることが出来なかったので、フリーについてのみ。)

考えてみたら、海外主催のオリンピックのフィギュアスケート中継を、下位グループから全て堪能出来たのは、今大会が初めてかも知れない。

トリノの時は、朝起きたら「荒川静香、金メダル!!」とテレビで知ったし、バンクーバー五輪の時は、仕事中だった。ソチの時もリアルタイムでは見られなかったような気がする。

たまたま仕事が休みの土曜日に重なったことは、ラッキーだった。

 

優勝候補の一人であろうとみていたアメリカのネイサン・チェンは、ショートプログラムで撃沈したと聞いた。何でも、見事な演技を披露した羽生結弦の直後の滑走だったそう…。

「勝って当然」と思われているであろうネイサン、どれほどのプレッシャーと緊張感だったろうか?ショートプログラムである程度の順位につけていたら、フリーでの大挽回劇を見ると、表彰台の顔ぶれもあるいは変わっていた可能性もあったと思う。

「運も実力のうち」と人はよく言うものの、羽生結弦の直後の滑走順になってしまったショートプログラムを、「運」と見るべきか否か…。

ソチ五輪浅田真央状態とネットでは話題になっているが、今回のこと、必ずや「収穫」となりうるものがあったであろうと思う。

今後のネイサン・チェンに期待したい。

ネイサンのフリー、アッパレだった!!

 

イスラエルAlexei Bychenko(アレクセイという表記とオレクセイの表記がある)

ベテラン枠に達している30歳のビチェンコ、彼のフリー演技はもう素晴らしかった。ネイサンのように何種類もの4回転を飛ぶわけではないけれど、スピン、ステップ、一つ一つのエレメンツに「心」を感じた。

丁寧に大事に、でも「挑戦」していく姿は、特別彼のファンなわけではない私だけど、気が付けば茶の間のこたつをバンバン叩いて拍手を贈っていた。(今ね、両手で拍手が出来ないのよ…左手首を亀裂骨折してしまって。)

何だろう、とても魅力的な選手だと思う。

 

アメリカのアダム・リッポン

彼の演技構成に4回転は組み込まれていないため、ノーミスで終えても得点はさほど伸びてはこない。しかしながら、ジャンプに不安定な時期があった頃を思えば、よくぞここまで復活してくれたものだと、嬉しく思う。

何種類もの4回転をこなす、いくつもの高難度ジャンプを飛ぶ…これも、スポーツの側面も持つフィギュアスケートでは当然と言えば当然である…けれど、「美しさ」「魅せる」といった表現面も大事な要素であるフィギュアスケート

彼の演技を見ていると、「そうそう、こういう演技、実は好きなんだよなぁ」と思い出させてくれる、そんな一面がある。ジュニア時代から注目されていたリッポン、ようやく花咲かせたね。復活してくれて、ありがとう。

 

カナダのパトリック・チャン

バンクーバー五輪以降から、「絶対王者」だったチャン。あのころ、「チャンを倒せる選手なんている?」本気でそう思っていた。それほど強かった。

しかし、羽生結弦がシニアにあがり、その姿をテレビで見る機会も多くなっていった、そんな時に彼は仙台拠点で頑張っていたのだが、「五輪で金メダルをとるのは、羽生君だよ、きっと…」そんな予感をさせていた羽生結弦が、「絶対王者」だったチャンを、やがて破っていくことになる。

羽生の存在が、チャンのいい刺激ともなっていくのだが、若手がどんどん新しい4回転ジャンプに挑戦していく中、スケーティングスキルでは右に出るものはないほどの実力を持つパトリック・チャンも、近頃は若手に押され気味ではある。

けれど、滑らかなスケーティングはチャンならではのもの。

これで、表現面(両手の可動範囲があまり広くないため、常に両手を水平にしているイメージが強い)でもっと違う顔を見せてくれたらな…個人的にそう感じる。

 

スペインのハビエル・フェルナンデス

表彰台乗りしてくれたことに、個人的にとても嬉しい!

羽生結弦と同じブライアン・オーサーコーチに師事しており、彼もまた綺麗なジャンプを飛ぶ。程よく肉付きのいい男っぽい体格で下りるジャンプは、決まれば最高にカッコイイ。羽生結弦とは違った魅力のある選手。ストーリー性のあるプログラムを演じさせたら、むしろ私はハビの方が好きかな。

 

田中刑事

団体戦の時は「心ここにあらず」なくらい、カチコチに緊張していたように見えた。

個人戦大丈夫か?というくらいに。

結果は18位。

せっかく高身長でキリッとした顔立ちをしているのだから、もう少しシンプルな衣装とか、クールでカッコイイ楽曲の方が似合うんじゃないかと思うんだけどな。

彼の雰囲気と、楽曲や衣装があまり合ってない様に感じたのは私だけだろうか?

(今回のフリーの楽曲、どうしても高橋大輔を彷彿とさせるのよね…。誰がチョイスしたのだろうか…。)

彼にはコミカルな楽曲よりも、もっとクールな渋い楽曲が似合いそうだけど。

来シーズンの田中刑事に期待したい。

 

宇野昌磨

「全員の演技を最後まで見ていたので、自分がどのくらいの演技をすれば順位はどのくらいになるってわかったので、ノーミスでいけば羽生君に勝てると分かったけど、最初のジャンプで失敗したので、もう笑うしかないなと…」

なんじゃ、この心臓の強さは!!??

どんな逆境も乗り越える羽生結弦が一見すると「メンタル強そう」に見えるのだけど、私の母親が「いや、宇野君の方がメンタルは強いよ」と。

そうかも知れない…初の五輪の大舞台で堂々2位なんて、お見事というしかない。

見ているこちらも、「いつもの宇野君と変わらず」冷静に見つめることが出来た。

かつて「町田語録」(町田樹が試合後や雑誌のインタビュー記事などで語る言葉が、それまでの他の選手と違い、個性を放っていたことから、ファンの間で町田語録と呼ぶようになった)が存在したのだけど、そのうち「昌磨ボキャブラリー」とか「宇野辞典」とか名前がつくのだろうか。

彼の後に続く世界レベルの選手が、日本からもっと出て来てほしいと思う。

 

そして、羽生結弦

ケガの状況をメディアに一切伝えることなく、五輪を迎えることになった。

情報を出さないようにしていたのだろう。それも結果的に良かったと思う。

「無理じゃね?」「やばくね?」…そう感じていたが、ハン・ヤンと激突しながらも試合を強行突破した時のことを思えば、「彼は異次元だからな、ひょっとしたら」。

ちょっと、こういう選手は何十年に一度とかレベルの選手じゃないかな。

フィギュアスケートの神様がいるとしたら、正に「選ばれし選手」だと思う。

陰陽師のパワーも味方に取り入れた、そんな気さえする。

野村萬斎さんは、嬉しいだろうな。五輪の舞台で披露しくれたことも。

ソチの時は、ショートプログラムで稼いだ得点のおかげで、フリーでボロボになっても金メダルだったことから、一部では揶揄する声もあったし、本人も納得がいっていなかった…そこから、4年。

「そんなにメンタル強くないんです」とアナウンサーからの紹介があったが、そうは感じさせない「強さ」、どうやって生じてくるのかとても興味がある。

ソチでの忘れ物、充分収穫出来たのではないだろうか?

 

かつて、羽生結弦は「23歳で引退する」と公言していたのだが、今日のニュースで「もうしばらくフィギュアスケートに人生かけたい」と。

耳を疑ったが、「4回転アクセル」に挑戦すると言っていた…マジか?!

いやいや、現役の羽生結弦の姿をもうしばらく見られるのは、有り難いと思う。

思うんだけど…帝王プルシェンコは現役後半には、体がボロボロになっていたというから(ケガ、手術、ケガ、手術の繰り返しで)、体が心配になる。

昨年のケガも、本当はまだ痛みがあると言っていたし。

どうかどうか、お体お大事にして欲しい。

 

史上初のハイレベルな戦いとなった男子シングル。

とても見応えがあったと同時に、ハイレベルな戦いをすればするほど体も消耗してくるので、ケガや体調が気がかりでもある。

ビールマンスピン」の発案者、デニス・ビールマンは、その後腰痛に悩まされたと言うし、彗星のように現れた女子シングルのタラ・リピンスキーは、股関節を痛めて現役を早くに退いたとも聞く。

どうか、体は大事にして欲しい。健康あって初めてことを成し遂げることが出来るのだから。。。

見応えのある演技を披露してくれた男子シングルの皆さんに、心から拍手を贈りたい。

 

 

追記:

個人的に気になる選手だけのピックアップで。

私の左手首に今、ギブスが巻かれているので、右手だけで打ち込んでいるため、誤字・脱字など何卒ご了承のほどをm(__)m

雪道は、余計なことを考えず「足元だけを見て」しっかり気をつけて歩きましょう。

ホント、シャレになりません…。。。橈骨ちゃらっていう疾病名だそうで。

その件「やっちのブログへおでんせ!」にアップ出来るかな…ちょっと今は、こっちの管理だけで精一杯。いずれそのうちということでm(__)m