銀盤の舞-フィギュアスケートエトセトラ-

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黄金時代の先駆け-無良崇人が引退-

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とうとう、無良崇人も引退か…。

髙橋大輔や織田信成小塚崇彦町田樹等とともに一時代を築き上げてきたスペシャリストも、好悪波の有る競技成績を送りながら、「父を五輪に連れて行きたい」との思いでピョンチャン五輪の選考会でもあった昨年の全日本選手権に挑むも、代表選出には至らなかった。

どうも五輪シーズンになると、とりわけ成績が振るわなかった印象があるが、昨年の全日本選手権の演技は、五輪代表選出とはならずとも、渾身の演技だった。

ピョンチャン五輪での男子シングルの放映を見ながら、ふと、「無良君が出ていたら、どうだったかな…」と思う場面も…。

五輪を目指すなら、おそらく今回が最後だろうな…とは素人目にも感じてはいて、昨年の全日本選手権を見ていると、「引退を考えているのかな」とさえ一瞬よぎった。

それでもあと1シーズンくらいは続けてくれるのではないか…という思いもあったけれど、

 

「これで自分の役目は終わったな」――。


 平昌五輪・男子シングルのショートプログラム(SP)。羽生結弦(ANA)が演技を終えた時、無良崇人(洋菓子のヒロタ)はそう感じたという。

 

なるほど、そうか…。

不本意ながら調子の悪かった五輪シーズンを、渾身の演技でまとめた全日本選手権でやりきった、悔いはない、既に引退の方向で気持ちは固まりつつあった、けれどピョンチャン五輪の補欠選手でもあった彼は、いつ声がかかってもおかしくないように準備はしていた、そんな中で羽生結弦の演技を見終えて、「自分の役目は終わった」と。

 

突然の引退宣言をした町田樹からタスキを引き継いだ無良崇人も、そのタスキをうまくいかすことができない場面もあった…けれど、彼の「トリプルアクセル」は、世界の記者たちを唸らせる迫力さえあった。

ミスタートリプルアクセル

と言えば、現在羽生結弦のコーチであるブライアン・オーサー氏の代名詞でもあるが、オーサー氏の現役時代を知らない私には、無良崇人こそが「ミスタートリプルアクセル」だった。

波にのれば泣く子も黙る凄みのある大迫力ジャンプを魅せることが出来るスケーターだったが、出来・不出来のバランスにとても苦しんだ競技人生でもあったように感じる。ここぞ!という時に、力を発揮出来ないシーンもあった。

しかし、だからこそ、「選手の心の痛み」に誰より思いを馳せることが出来る…きっと、そんなコーチになれるのではないかと思う。

無良崇人の引退で、これで本当に「ひとつの時代が終わった」。

髙橋大輔、町田樹鈴木明子ファンである私は、当時のスケーターが次々と辞めていくことに、ロウソクの灯が消えるような思いでいた。一時期はあれだけ好きだったフィギュアスケートからしばらく離れていた時期もあった。

(このブログを無期限休止にしたのも、そんな頃だった…。)

 

が、それは「新たな時代の幕開け」でもある。

無良崇人が今回の世界選手権の出場資格を譲った友野一希は、次世代選手。私が注目している選手でもある。

「ミスタートリプルアクセル」は引退するけれど、次世代を担うスケーター達の成長も楽しみにしながら、無良崇人には、心から「ありがとう、お疲れ様」と言いたい。

 

そして、プロスケーターとしても、ダイナミックなジャンプをまた披露して欲しい。

いずれは、キスクラで教え子のそばにいる「無良崇人コーチ」も見たい。

今後のご活躍に幸あれ!!

 

追記:satoko様、記事を引用させていただきました。