銀盤の舞-フィギュアスケートエトセトラ-

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フィギュアスケート全日本選手権大会2018ー男子に危機感覚えた大会ー

男子のフリーが終わった。

宇野昌磨の優勝は予想通りとして・・・。

5年振りに現役復帰した高橋大輔が2位に入る結果となり、私も「ヤバイでしょう」と、本人と同じ言葉を発していた。

 

現役復帰することを知った時、世間、例えばヤフコメとか、やたらと批判的なコメントが多くて、「そんなに良く思われていないんかい?」と悲しくなった。同時に、他人の身の振り方に、簡単に批判出来る人が多いことにも寂しい気持ちにさえなった。

5年のブランクがある・・・そうそう容易いことではないことは本人が一番良く分かっていたことだろう。

かなりの勇気も必要だったかも知れない。

それでも、現役復帰すると決めた大輔の顔は、何だか晴れ晴れとしているようにも見えたのは、気のせいではなかった・・・と、フリーを見終えた今、実感している。

 

女子が熾烈な戦いを見せたのに対して、男子はショートからジャンプで転倒する選手が多く、正直「見応え」はあまりなかった。

そんな中でも、ショートで渾身の演技を魅せた宇野昌磨、ショート、フリーともに完璧にはいかず、むしろフリーではヘロヘロにバテてしまった高橋大輔、この二人はさすがだなと、その演技に見入った。

 

フリーの大輔に関しては、賛否分かれるのかも知れない。

ジャンプはいくつか失敗し、後半体力が奪われフィニッシュもぐらつきうまく決められず、大輔だけじゃなく私もよく2位に入ったと驚いた。

しかし、ステップやスケーティングといった表現力は、プロスケーターとしての経験も加わって、若手にはない円熟味を帯びた大人の滑りがそこにはあった。

久しぶりだ、、、こう、ワクワクする感覚、「フィギュアスケートって、ジャンプだけじゃないんだよね。」と感じさせてくれる艶のある演技に、久しぶりに嬉しくなった。

現役時代を見てきた大輔ファンとしては、現役時代とはほど遠いことなど分かっている。しかし、わずかな月日と時間で、ここまで状態を戻してくるとは、どれほどの努力だっただろうかと唸らずにはいられない。

 

私がこのブログを停止したきっかけは大輔だった。

プロスケーターになってからの彼の演技に、どうにも心酔することが出来なくなっていたのだ。

大輔の演技を見ていると、どうにも「迷い」があるように感じられて仕方がなかったのだが、ブログを停止した当時、私の意見にかなりご批判を頂いたように記憶している。

が・・・、現役復帰会見の彼の言葉を聞いて、当時私が抱いた感覚は、あながち外れてはいなかったのだなと納得した。

 

だからこそ、今回の全日本選手権大会での高橋大輔の演技を見て、少なくとも「迷い」なく集中出来ていることを実感し、嬉しくなったのだ。

「そうそう、こういう大ちゃんの演技が好きなのよ」と。

 

個人的には、彼の演技を見ることが出来て、嬉しく思っている。

が、、、同時に、5年もブランクのある選手に表彰台許していいんかい?!若手、しっかりしぃや。

そんな気持ちにもなった。

羽生結弦宇野昌磨に続く、世界で戦える選手がいないのは危機感を覚える。

この2人の時限が違い過ぎるのはそうなんだが、それにしても続く選手のベスト成績があまりに開き過ぎている。

田中刑事友野一希のジャンプが安定してくれば、かなりいいんだけど。

 

とは言え、ジュニア選手に有望株がいるのは楽しみではある。

 

女子はかなり面白い試合だった。浅田真央安藤美姫鈴木明子村上佳菜子、、あの時代に感じたワクワク感に近いくらい、面白い試合だった。

男子もこれくらいの戦いを見せられる日が再びくることを願っている。