銀盤の舞-フィギュアスケートエトセトラ-

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日本スケート連盟 — 30日理事会での承認(決定)事項 2点—

日本スケート連盟の30日に行われた理事会において、重要な2つの項目が承認(決定)された。

各マスコミが30日付けで報道しているが、検証すると、文言の選び方や配列の仕方により、受け手の印象が、微妙に異なってしまうのではないか?

…そう、感じられたので、ここでは、それらを「総合的」にまとめてみることにしたい。

※ 参照記事:スポーツニッポン時事通信、読売新聞

簡単にまとめると、以下の通り。

1、来年3月のフィギュア世界選手権(開催国:東京)の代表選考基準の承認

2011年3月に、東京の国立競技場で開催される世界選手権へ選出されるためには、下記の条件のいずれかを満たす必要がある。

全日本選手権 ( 12月23日から26日開催:長野市ビックハット)の出場を義務付けた上で、以下の条件

① グランプリ(GP)シリーズの得点ランキングで3位以内

全日本選手権で3位以内

全日本選手権終了時での世界ランキング3位以内—

これら3つの条件を満たした選手を、「総合的に」判断して選ぶことにする。

( バンクーバー冬季五輪の代表選考では、GPファイナルでメダルを獲得もしくは最上位選手や、全日本選手権の優勝者を、自動的に選んだ。)

また、過去の世界選手権で、6位以内に入っている選手がケガなどで選考条件を満たさなかった時は、「特例」で対象に加えることもある。

2、スケート選手会設置へ

2014年のソチ冬季五輪に向けて、スケート選手会を連盟内に立ち上げ、競技現場の要望を組織運営に反映させることが狙い。

マチュアスポーツ団体では、珍しい試みとなるが、現場の声を直接吸い上げることで、競技環境の改善を図ると同時に、「要望する選手に責任を持たせることで、資質の向上にもつながる」としている。

連盟の橋本会長提案によるもので、

スピードスケート、ショートトラックフィギュアスケートから、各1名を選出し、その中から「会長1名、副会長2名」とする構図。

選出された者は、オフシーズンなど競技に支障のない時期には、オブザーバーとして、理事会にも出席できるという。

そこでは、「連盟のサポート体制に対する意思や、普及活動のアイデアなどを述べて欲しい」とのこと。

橋本会長によると、「年内に中身を決めたい。」「選手の声を組織として、正式に取り上げていけるような形をつくりたい」と、説明している。

以上の2つが、日本スケート連盟の30日の理事会にて承認(決定)されたという…。

一見、パチパチと拍手をしようかと思いながらも、何故か私は、しっくりこない。

何故だろう…?

代表選考については、①の「得点ランキング」が気になる…長年、フィギュアスケートを見てきている方にはお分かりのことではあるけれど、分からない方もいらっしゃるので、簡単にまとめると…

「GPシリーズの得点ランキング」で3位以内ということは、どこかのシリーズで「優勝」があっても、得点ランキング次第では、選考基準を満たせないケースが生じる…可能性がゼロではない。

例:Aさんは85点で優勝が1回、80点で3位が1回。

Bさんは、90点で優勝が1回、85点で2位が1回。

Cさんは、90点で2位が1回、85点で3位が1回。

Dさんは、100点で優勝が1回、70点で3位が1回。

学校の試験の点数に置き換えると、分かりやすい。

BさんとCさんは、得点ランキングでは、175点で並んで、同点1位。だが、Bさんが表彰台での順位は勝っている。

マラソンの五輪選考基準も、「総合的に判断」といい、必ず大なり小なり揉めているようだが…フィギュアスケートも、揉めるんだろうか?

スケート選手会設置においては、プロ野球でいうところの、「選手会長」のように、フロント(連盟)と掛け合うなどして、リーダー的な役割も任されるのだろうと思うが、まとめ役というのは周囲からの信頼があり、かつ、効率よく相手に意見を伝えることが出来る必要がある。

フィギュア界で1人としているが、ペアもアイスダンスもシングルも加えた中から、代表1人ということだろうから、選出された選手は、楽ではないような気がする…。

フィギュアはフィギュアでも、それぞれ「色」がある。その色を、見事に美しくあぶりだす役割を担える人物ということだが、果たして…。

しっくりこないような、微妙な心持ちがするけれど、「フィギュアスケートって、いいよね!」

そう、感じられる人がひとりでも増えてくれるような、「改善」であることを、日本スケート連盟には期待したい。