銀盤の舞-フィギュアスケートエトセトラ-

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別世界へ誘う逸材 — ジョニー・ウィアー —

— 今季 ( 2010〜2011年 )は、「自分の演技スタイルを再確認、再構築するため」競技生活を休業する —

アメリカの男子シングルの選手、ジョニー・ウィアーの近況が、先頃インターネットニュースで伝えられました。

ジョニー・ウィアー … 細くしなやかながらも、ビラティスで鍛えられたと言う、程よく引き締まった身体から演じられるプログラム、そのどれを取っても、「美しい」「優雅」「気品」と言った形容詞が真っ先に浮かびます。

男子シングル選手には珍しい、繊細な演技をする選手ですが、ややもすると、「男らしくない」とか、「女みたいだ」と、彼のフィギュアスケートそのものより、彼自身そのものが否定的に捉えられてしまう…そんな「偏見」が、世界には一部あると言われています。

フィギュアスケートは、とりわけ「競技スポーツ」としてのフィギュアスケートというのは、ただジャンプすればいい…ものではなく、そこはやはり「魅せる」必要もあるわけですから、その点、ジョニー・ウィアーは、他の男子シングル選手にはない、素晴らしい「エンターテイメント性」を持っていると、私は素人ながらも、強く感じます。

中性的だと批判されることがあると言うけれど、フィギュアスケートには、何ら関係ないこと。

他の男子シングル選手では表現しきれない「別世界」に、彼は誘ってくれる。

貴重な存在…。

美輪明宏に、「性別は?」と質問するのと同じくらいに、ジョニー・ウィアーの中性的な雰囲気を非難することは、個人的にはバカげていると感じている。

「何かを表現する」場面において、そういうことは、どうでも良いこと。

大事なのは、常に進化することを忘れず前向きに、チャレンジし続ける、フィギュアスケートへの愛情…これを、真摯に表現しようとすることではないのかと、思います。

彼が演じた「アヴェ・マリア」は、心があらわれるようでした。

歌手レディー・ガガの「ポーカーフェイス」を用いたエキシビションプログラムは、また違った魅力…妖しくもセクシーな世界へと、連れていってくれました。

バンクーバー五輪シーズンだった昨年は、不安定になっていたジャンプを、見事に成功率をあげてきていたジョニー。

— 次は、何を魅せてくれるのかな? —

そんな期待感を持たせることの出来る選手。

競技スポーツとしてのフィギュアスケートには、エンターテイメント性を強く求めるものではない…けれど…表現出来る人は、どんどん表現したらいいと思います。

わくわくドキドキな期待感を持たせることの出来る人、それがジョニー・ウィアーの魅力かも知れません。

男子シングル界には、貴重な存在ですから、休業が終えたら、進化したジョニーに会えることを信じて、楽しみにしたい。

今季、彼のスケーティングが見られないのは、とっても寂しいですが…。