銀盤の舞-フィギュアスケートエトセトラ-

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フィギュアスケートマンガに見る、ペア競技の難しさ — 過去の曖昧な記憶より —

槙村さとる … この名前にご記憶ある方は、根っからのマンガ好きな方か、何かのきっかけで彼女のコミック本を読み、それがきっかけで、フィギュアスケートにも興味を抱いた方、あるいは元々フィギュアスケート好きで、マンガの存在は後から知った方等、様々な「出会い」があったものと思います。

私の過去の曖昧な記憶で大変恐縮でありますが、人間というもの、常に正確、明白でない方が、「遊び」があって良いでしょう…と、勝手な言い訳をしながら、話を進めます。

槙村さとる ( まきむら・さとる ) … マンガ家。フィギュアスケートやジャズダンス等を題材にしたマンガが多いらしい。

私が小学生3年か4年の頃だったでしょうか、クラスの教室に、マンガや小説等の本が何冊か棚に置かれてあり、全員気兼ねなく借りて読めるようになっていました。

その中…だったと思いますが、「槙村さとる」のマンガもあり、ある日何気なく手に取り読み進めていくうち…時間が経つのも忘れてしまう程、夢中になったんですね。

タイトルは…「愛のアランフェス」…かな?。曖昧だけれど、はっきり記憶しているのは、「槙村さとる」のマンガだということ。

確か、

・題材はペア競技。

・厳しい鍛練あり。

・ペアを組んだ途中から、恋愛関係に。

・恋愛関係に至ったことで、どうしても気持ちが相手に依存しがちになり「競技」としてのペアの続行に、暗雲がかかる…。

・これ以上ペアを続けるのは、二人のために良くないので、お互い離れる…。お互いの意思で離れたか、離れさせられたかは、ちょっと記憶にないですが…。

こうした内容が盛り込まれていたと思います。

その前後に、当時、子供ながらに偉く「驚いた」シーンがあります。

・ある日何かの大会で、あり得ないけれど、同時刻の同じタイミングで、ペアだった二人が、「シングル」として、演技を開始。

・すると…一緒に踊っていない二人が、お互いシングルで演技しているはずの二人が、要所要所での技、シットスピン等…が、数秒たりとも違わず、同じタイミングで滑っている…。

このようなシーンが、あったんです。マンガの世界と分かっていながらも、本当に驚きましたね。

いくら気持ちが通いあっていても、別々に演じて寸分違わぬというのは…今なら、「宝くじ当てるより、あり得ない」と、ツッコミを入れるところですが、当時は、子供でしたから、「この人達、凄〜い!」

素直に、純粋に、感動したのを、ふと思い出しました。

ペア競技というのは、シングルと同じ要素もありますが、

・女性を頭上高く持ち上げるリフト

・女性がジャンプするタイミングに合わせて、男性が女性を投げるように離すスロウジャンプ

・男性が円の中心軸になり、片手で女性を引っ張るように支え、女性はコンパスのように氷面に身体を近付けて円を描き滑る、デススパイラル

といった、力技もあります。

槙村ワールドのようなペア選手は、まだ日本にはいません。

最近になって、高橋成美マーヴィン・トラン組という、日本ペア界期待の星が頑張っていますが、日本では、なかなかペアやアイスダンスが、育ちません。

様々な原因があるようですが、その中に、幼少期からの男女の関わり方が、あるようです。

海外では、挨拶でハグしたり、頬を寄せたりは、珍しくない普通のことでしょうけど、日本においては、日常茶飯事ではない。

ペアやアイスダンスを育成するには、「相性」もあるでしょうけど、それ以前に、「異性と組む」ことに対する「価値観」とでも言うのでしょうか、なかなかそこに価値を見いだせないことも、あるのでしょう。

日本古来の慣習といいますか…。

※勿論、他にも理由はありますが、今回は割愛します。

日本の男女シングルが世界レベルになってきたのを境にか、ペアやアイスダンスを地上波放送で見る機会が、減ってしまった気がします。視聴率やスポンサーの関係もあるでしょうが、日本の選手じゃなくても、「トップレベル」の選手は、シングルに限らず見たいのですがね…。

槙村さとるのマンガでは、ペアの二人が、どんな結末を迎えたのか…興味のある方は、古本屋さんを覗いてみてください。