銀盤の舞-フィギュアスケートエトセトラ-

スポナビ+ブログから引っ越してきました。

NHK杯 男子シングル(FS)を見終わっての感想

 男子シングルのフリースケーティング(FS)が終わり、競技としては全て終了です。BSハイビジョン放送を今日は見ることが出来なかったので、これからNHK総合で放送される「エキシビション」を見て、私のNHK杯観戦は終了します。

 ペアやアイスダンスも一部テレビ観戦しており、ご紹介したいスケーターはいるのですが、何せシングルを追うので手いっぱい。加えて、ブログ更新作業・・・この時期の他の方々のフィギュア関連ブログに目を通す時間もなく、「我」に集中しておりますため、内容及び表現がかぶっていましたら、大輔金メダル獲得に免じて、どうかご容赦くださいね。

 男子シングルの成績については、昨日22日にエントリーした記事にもNHKフィギュア杯のURLを掲載してありますので、ご参照ください。

 NHK杯フィギュア2010 トップページのURL

   ↓

 http://www.nhk.or.jp/figure/index.html

 ※ ちなみに、ここのサイトをいつまで表示してもらえるのか分かりませんが、当分は大丈夫かな?当分て・・・当分でしょう(笑)。

 今更ですが、各選手の成績表の隣に「NHK」という旗のような箇所がありまして、そこをクリックするとショートプログラムからエキシビションまで、動画を確認することが出来ます。それぞれ、GOE(グレード・オブ・エクスキューション。出来栄え)評価も掲載されています。私でも分かり易いです。

 ◆ 高橋大輔

  ジャパンオープンの時と比較しますと、手の下ろし方だったりメリハリの付け方だったり、若干変えてきている印象があります。私にとって、このプログラム「ブエノスアイレスの冬」(振付:パスカーレ・カメレンゴ)は、何度か聴いて見て好きになっていくプログラムかな?と思います。

  髪型は、昨日のショートプログラムの時とは違い、オールバックにまとめてきました。黒と紫のコスチュームが渋いです。フリーでは、技術点・演技構成点ともに、堂々1位。後半ジャンプが抜けてしまったり、2連続3回転のセカンドジャンプで転倒するミスはあったものの、昨日のSPでは後半ステップに疲れが見えたことを思えば、今日のフリーは良かったんじゃないかと思います。

  だいぶメリハリの効いた動きにはなってきていますが、「あともう少し」なのかも知れません。4トウループも成功し、昨年復帰したのをついぞ忘れてしまうほど、「よく復帰したね。お姉ちゃんは嬉しいよ(笑)。」 カメレンゴ先生、いらしてましたね。さぞ、嬉しいでしょう。

  優勝、おめでとう!!

 ◆ ジェレミー・アボット (アメリカ。コーチ:佐藤有香) 総合2位

  昨日23日の記事に書き忘れましたが、SPでの手の使い方が、手先指先までとっても繊細にしなやかだったんですよね。そのしなやかさとは反対に、「強さ」も感じられまして、このまま調子よくフリーも演じてくれれば・・・明暗が出やすい選手ですので、どうかな?と思っていましたが、今回のNHK杯では本当に素晴らしい仕上がりだったんではないかと、私は思います。

  フリーの演技が終わり、キス&クライに戻ってくる時、おどけたように子供のようなユニークなしぐさを見せてくれて、本人もよほど気持ちよく滑ることが出来たんだろうなと感じました。長身ですのでね、ジャンプがバシっと決まると、嫌でも映えるんです。これで、スピンやステップ、つなぎの部分が伸びてかつ、平均していいスケーティングが出来てくると、結構強敵になるような気がします。スケーティングは、滑らかです。 

  ◆ フローラン・アモディオ (フランス。コーチ:ニコライ・モロゾフ) 総合3位

  この選手、ダンスが趣味だそうです。キス&クライでも、嬉しさを隠せずダンスしていたのが印象的でした。

  このマイケル・ジャクソンのナンバーを交えたフリーのプログラムですが、これは「一般受け」するんじゃないでしょうか?フィギュアに興味がない方も、つい見入ってしまうプログラム。フィギュアに興味を持ち始めたばかりの方にとっては、入り易い内容だと思います。

  振り付けは、ニコライコーチですかね?かつての大輔「白鳥の湖-ヒップホップバージョン-」を彷彿とさせるものがある・・・と、感じたのは気のせいでしょうか?アモディオ選手、スケーティングの滑らかさやキレの部分など、細かな動きがもっと洗練されてくると、面白いと思います。

 ※ 実況のアナが、「安藤美姫のコーチだった、ニコライ・モロゾフ・・・」と一瞬言ってましたけど・・・「だった」って、間違いじゃないのかな?ジャパンオープンの時、いましたものね。昨日も女子シングルのフリー演技をニコライ氏と観戦してましたし。でも、解説の本田さん特にコメントなし。う~ん・・・。

  ◆ 羽生結弦 (はにゅう・ゆづる) 総合4位

  4トウループ成功です。綺麗なジャンプでした。着氷した後、スーっと流れていくところや高さありました。GOEは1.29。選手の中で一番良かったんじゃないでしょうか。ちょっと、後半疲れたようですね。ジュニアのフリー時間より30秒長いシニアのフリー。体力面の強化とスケーティング部分等、これからですね。ジョニー・ウィアー(アメリカ。今季競技休業中)にデザインしてもらったコスチュームだとか。ピンクがあしらわれていましたが、羽生選手に似合ってます。敬愛する人物には、どことなく雰囲気が似てくるものなんでしょうかね。

  ◆ 無良崇人 (むら・たかひと) 総合6位

  4トウループ、着氷の姿勢と着氷後の流れ方が、ちょっと苦しかったですかね、GOE(出来栄え評価)加点なし。もう少し、ジャンプが安定して、あと個人的な見方ですが、「手の表情」があまりない気がするので、もっと表情をつけてもらえたら、演技力や振付の得点も上がってくるのではないかな?と、感じました。ジャンプは高さありますので、見ごたえは十分あります。

  

  男子シングルを一通り見ていて感じたこと・・・やはりね、4回転があると面白いんです。ないと、だしの効かない味噌汁のような、おかずが1品足りないような・・・。フィギュアスケートは、平均的な美しさも必要なのですが、「表現力だけでは戦えない」、これが今回NHK杯を見ていて感じたことです。採点方法が変わって、点の出し方にも変化があったと思いますが、やはり「競技フィギュアスケート」たるもの、技術があってナンボのもんじゃい。

  私には、そう感じられた試合でした。