銀盤の舞-フィギュアスケートエトセトラ-

スポナビ+ブログから引っ越してきました。

全日本選手権 — 女子ショート —

サンタクロースは、確かに存在するんだな・・・

きよしこの夜、苦難と闘い続けた「現・元世界女王」に、クリスマスプレゼントが与えられた。

女子ショートプログラム

安藤美姫 ・・・ グランプリファイナルで初披露した「映画 ミッションより」を、わずか1ヶ月足らずで自分の物にしてきたあたりは、さすがと言っていいでしょう。フィニッシュ手前のスピンでバランスを崩した以外は、ミスのない演技。前回の白いコスチュームは、いただけなかったけれど、今回のコスチュームは、とてもセンスが良い。メイクも派手過ぎず地味過ぎず、素敵。

日本スケート連盟から、コーチ変更の打診があったというだけに、これは二人三脚の意地…とも、言えるかも知れません。

感情の起伏が激しいだけに、演技に影響することがある安藤選手ですが、今季は安定した力を見せています。フリーでは、後半に集中させているジャンプが「鍵」となってくるでしょうから、注目ですね。

村上佳菜子 ・・・ ショートプログラム楽曲「ジャンピン・ジャック」は、正直「鉄板プログラム」でしょう。全体的な出来映えやスケーティング等は、ジュニアの庄司理紗選手の方が、個人的には印象が良かった。けれど、村上選手が順位は上をいきましたね。冒頭に、誰より高さもあり飛距離のある2連続3回転ジャンプを決められると、あの元気の良さと、得意とする「表現力」と「笑顔」で、鉄板プログラムを武器に、高得点を叩きだすのはやむを得ないかも、、。プログラムがいい。演技構成点は、本人のスキルや努力ではどうしようもない項目がありますから、これは山田陣営の作戦勝ちだと思います。

庄司理紗 ・・・ お姉さん達にまざって、14歳のジュニアの演技を披露…いや、ちょっと待てぃっ!…庄司選手は、ただ者ではない予感がする。まだジュニアでしかも14歳です、14歳!なのに、何であんなに滑らかな艶っぽいスケーティングが出来るんだろう?キム・ヨナ以上のインパクトだと感じるのは、私だけでしょうか?

リベルタンゴ」…多くの選手が舞ってきた楽曲。14歳でリベルタンゴか!?と思いきや、圧倒されてしまった、、。庄司選手には、「華」と「品」という武器があるように感じます。加えて、品のある艶っぽいスケーティングときたら、村上選手に追い付き追い越すのも、時間の問題かも知れません。不思議な魅力を感じる選手です。

◆ 今井 遥 ・・・ ジャンプのミスが響いてしまいました。ちょっと急ぎすぎたような焦りにも似た空気を感じましたが、かなり緊張していた様子。今季、演技構成点の伸びが今一歩な印象があります。落ち着いたスケーティングを心掛けると、良いのかな?少し、滑り急いでいる感じがします。フリーでは、自信を持って挑んで欲しい。

鈴木明子 ・・・ 今井選手に続き、長久保陣営は、ショートで苦戦を強いられてしまいました。ジャンプがひとつ抜けてしまいましたが、見た目以上の低い結果に…。プログラム構成を変更するかしないか、かなり悩んだ末、変えずに挑戦。村上選手の項目でも述べましたが、演技構成点はプログラムに対する得点もありますから、、うーん、、。「アッコちゃんに厳しいんじゃない?」とは、私の家族の弁。えぇ…、何の問題??

関係ないようで大事だと思うメイク…少し口紅が薄い気がしました。全体的にナチュラルメイク過ぎて、顔色が悪く見えたので、もう少し濃い目でも大丈夫かと。タンゴですからね。何とか、フリーでは「納得いく」演技を披露して欲しい。

村主章枝 ・・・ 三十路の意地を見せつけられた気がしました。崖っぷちと言われる村主選手の意地と魂がこめられた演技。苦手なジャンプもキッチリ決めてきました。失礼ながら、吠えた甲斐があったなと…これで、メタメタだったら、どうしようと思いましたが…そこは、さすがベテランと言っていいですね。村主選手が人を惹きつける最大の要素は「魂の込められた表現力」にあるはずなんです。全日本選手権独特の緊張感に包まれながら、久しぶりに「村主章枝ワールド」を堪能しました。

フリーでは、失うものは何もない勢いで、自分を出して欲しい。

浅田真央 ・・・ 待っていたこの瞬間を。

ソチ五輪を目指せばいい…だから、焦らなくていいんだよ…そう自分に言い聞かせながら、心の隅っこでは、パーフェクトな浅田真央を待ちわびていた。複雑な心境で迎えた全日本選手権

コスチュームを変えてきました。黒地に赤い部分色と光り輝くシルバー。浅田選手のたくさんのコスチュームを見てきたけど、今回のはセンスが良いと思う。氷上によく映える。

ショートプログラム前日まで、最初のジャンプをトリプルアクセルからダブルアクセルに変更する安全策が、ギリギリまで話し合われたという…私は、この安全策案が、逆に浅田選手の心を強気にさせたと、良かったんじゃないかと感じています。まだまだ改善途上の道すがら、、。でも、嬉しかった!

トリプルフリップを着氷した時、浅田選手から笑顔がこぼれた。その瞬間「あっ、いける、いける、大丈夫だ!」そう、感じながら、緊張と心配が交錯した複雑な心境で応援していた私の心が、ふっと軽くなり、同時に目頭が熱くなった。 「何〜泣いてるわけぇ?!」家族に笑われながら、込み上げてくるものを、どうしても抑えることが出来なかった…結果を知らずに応援していたから、尚更…。

やはり、違う。スケーティングが滑らかになった印象があります。

外国語の苦手な浅田選手は、山田満知子コーチ(当時)の「真央は、海外を見てきた方が良い。必ずためになる。」との判断により、巣立たせたというが、それは当たっていたと言っていいでしょうね。

現在の佐藤コーチ(佐藤ファミリー)に師事したことで、浅田真央はこの先、最強になっていくことでしょう…。

フリーの「愛の夢」…ジャンプが決まれば、ローリー・ニコル振り付けの鉄板プログラムは、人々の脳裏に焼き付いて離れないプログラムになるだろう…そう、願いつつ、今日もまた緊張と心配に支配されながら、応援することになりそうです。

試練を乗り越えた先には、必ず温かい光がある。ファンもメディアも、その光の一員でありたい・・・。