銀盤の舞-フィギュアスケートエトセトラ-

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強さと優しさと感受性の鋭さを持つ《高橋大輔》

初夢とは、4日朝方に見た夢も含まれるだろうか?

だとしたら、私の初夢は、「小塚崇彦」である。

高橋大輔ファンなのに・・・?

大輔の次の世代の選手に、小塚崇彦がくると信じているし間違いないと思っているが、おそらく「心配」のあまり夢に出てきたと思われる・・・。

「次のホープ小塚崇彦選手です〜」と、紹介され照れていた様子を、ボンヤリと夢見ていた。

不思議と、小塚崇彦という男も、浅田真央同様に、どこか身内感覚になってしまう。弟のような存在感だろうか。

「・・・若い選手に勝てないなと感じたら、辞める…かも?」とは、高橋大輔が語っていた言葉。勿論、真剣100%のインタビューではなかったので、冗談も含まれると思うが、だとしても、ある意味素直に言い切ってしまうことが出来る大輔には、「強さ」を感じる。

グランプリシリーズのファイナル公式練習において、激しく転倒した際も、決してそれを口に出すことはしなかった。

素の高橋大輔という男は、いつも「言い訳」やら「ボヤキ」やらをしているらしく、姉と慕う荒川静香さんには、「あのねぇー!」と諭されていた場面を、テレビで見たことがある。

2010年も終わろうという師走の29日に、高橋大輔が子供達の質問に答えるという、30分番組があった。

氷上で演技している人物とはまた別の視線を放っている大輔。舌が長いのか、少し甘えたような話し方が、またいい(笑)。ひとつひとつ、丁寧に答えていく。

そのやりとりを見ていると、子供だからといって、適当なことを言ったりはせずに、悩みながらも真剣に笑顔で答える大輔に、優しさを感じないではいられない。

「この人と一緒に仕事がしたい」「この曲を使いたい」…彼がふと考え始めると、必ず後で、現実となるらしい。潜在的な思いは、プラスの思いもマイナスの思いも、実現するとはよく言われるが、誰でもそうではない。だったら、世の中の人が、就活に苦労したり、金欠病になったりするはずがない。

潜在的な思いが、現実のものとなりうる人というのは、それだけ周囲に助けられている人とも言えるような気がする。勿論、そこには「ご先祖様」だったり、たくさんの人の「思い」というものも、含まれる。

そして何より、

高橋大輔自身が、挫折を乗り越え前向きに生きてきたであろう「ご褒美」として、感受性の鋭さが備わっているように思う。持って生まれた感性に加えて・・・。

だからこそ、日本人離れした躍動感溢れるマンボを踊ることや、ジャッジも認めざるを得ない「表現力」を、身体の奥底から演じることが出来るのだと思う。

強くて、優しくて、感受性の鋭さが、高橋大輔を何度もピンチから救ってきた。

また、それが魅力でもある。

小塚崇彦を弟感覚で思ってしまうような感覚は、不思議と高橋大輔には抱くことがない。

何故なら・・・

色んな顔を、大輔は持っているのだ。時に、抱き締めたくなる。時に、抱き締めて欲しくなる。時に、一緒に楽しんで声援をおくりたくなる。時に、優柔不断さを感じて手綱を握りたくなる。時に、時に・・・。

最終的に私は、

大輔が表現する舞台が大好きなのだ。これは、比較云々出来るものではない。小塚は小塚の、織田は織田の世界観があるように、高橋には高橋の個性があり、感性がある。

大輔が演じる表現力が、正しいのではない。彼が表現力の物差しではない。

比較など出来ないのだ、表現力ってやつは…。だから、魅力なのかも知れない。

強くて、優しくて、感受性の鋭い男・・・これが、私の高橋大輔感であり、魅力でもある。