銀盤の舞-フィギュアスケートエトセトラ-

スポナビ+ブログから引っ越してきました。

人柄が滲み出るスケーティング≪鈴木明子≫

 昨年秋頃だろうか・・・鈴木明子選手のホームページを閲覧しようとしたところ、表示されなくなっていた。

 「うちのパソコンのバージョンが古いんだろうか?」

 何度かアタックしたものの、全く表示されなくなりそして新年を迎えることとなった。

 そして、1月も半ばを過ぎようという時に、「鈴木明子 サイト」等と検索をかけてみたら・・・

 あったではないか!

 アッコちゃんの公式ホームページが。正確に言えば、「公式サイトの管理者が変わって、リニューアルされた」ということらしい。

 鈴木明子 オフィシャルサイト Story on Ice

 http://www.akiko-suzuki.net/

 以前あったサイトの更新が滞りがちだなとは感じていたものの、全く表示されなくなった時は、正直寂しさを覚えた・・・。

 昨年、バンクーバー五輪に参戦し、五輪初出場ながら堂々入賞を果たし、人々の「感動指数」では確か1位に躍り出た鈴木明子ではあるけれど、どうしたって彼女に対するメディアの扱いが薄すぎる。

 それだけに、「公式サイト」の存在は、日々の活動や記録、経歴、日常など、鈴木明子を少しでも肌で感じる上で、とても大切なツールであるのだ。

 サイトをリニューアルするにあたり、ファンの間から「もっと写真を見たい!画像を多く載せて」といった声が大きかったようだ。現在のサイトのトップページには、「アッコスマイル」が満載である。ファンとしては、嬉しい限り。管理者である 「東邦不動産株式会社 スポーツ・セミナー事業部 邦和スポーツランド」の皆様方に、心より感謝申しげたい。

 そして、

 嬉しいことに、

 鈴木明子 オフィシャルブログ shanti(シャンティ)な日々

http://ameblo.jp/suzuki-akko/

 というブログを発信し始めていたのだ。勿論、本人が。

 私は元々人様の日常にはあまり首を突っ込まないが、見てみると一般の人間も「コメント」を残せるようになっている。

 それも、一度はスケートを離れざるを得なかったアッコちゃんだから・・・なのかも知れない。 

 「温かい」

 鈴木明子のブログは、スケーティング同様にとても温かい。

 

 また、彼女を取り巻く周囲の人々も、皆、温かいのだ。それがとても伝わってくる。

 はちのへ国体では、SP・FSともに1位通過し、見事に「優勝」を遂げた。(2位の村主章枝を大きくはなし、圧勝)

 総合得点:185.88

 昨年暮れの全日本選手権では表彰台を逃し、「このままじゃ辞められない」と現役続行を決めた鈴木明子だったが、心配だった。

 どんな思いで年末年始を過ごしたんだろうかと・・・。

 だが、

 ブログを見る限り、少しずつ元気を取り戻し「アッコスマイル」がまた戻ってきていることを知り、ホッとした。

 ◆ 華

 ◆ スター性

 これが同じなのかは、分からない。ただ、言えることは、これらを備えた人物をメディアは放ってはおかない。

 決して、天才肌ではないし、ずば抜けたキャラクターの持ち主でもない。けれど、その「素朴さ」だったり「純粋さ」が、鈴木明子のスケーティングや笑顔に、凝縮されている。

 その天然100%の味が、私は好きなのだ。

 飾らない味。

 かつて、

 中野友加里バンクーバー五輪出場をめぐり、「1点に満たない点差」で、五輪出場権を得た。

 その時、

 ファン同士で「何故だ!」「悔しい」「解せない」・・・たくさんの罵声も浴びせられたし、叩かれもした。

 中野を応援すると同時に、鈴木を応援していた私にとっても、「苦しかった」間違いなく・・・中野のひたむきな努力を、フィギュアスケートファンなら、誰しも感じ取っていたからだ。

 私が好きな田村明子さんの著書にも、それについて触れている。

 「パーフェクトプログラム」

 が、私の「素人の感覚」で感じたことがある。

 鈴木明子には、中野ほどの「緊張感」や「重圧」がなかったように思う。例えて言えば、荒川静香トリノ五輪出場の資格を得るため、「楽しむことを忘れて堅くなっていた」そのスキをついて、浅田真央が天真爛漫に優勝をさらった・・・かつてのエピソードのように。

 後に荒川静香は、

 「楽しむことを忘れていた。一方、浅田選手は楽しそうに演じていた。ジャッジにもそれが確実に伝わっている・・・。」といったコメントをしている。

 専門的には、技云々・・・あると思うが、鈴木明子中野友加里より、1枚勝っていたのは、「楽しむ気持ち」だったのではないか?

 

 飾らない天然100%の素材の良さを、どう調理するかが「プログラム」であり、それを考察するのがコーチや振付師。

 

 そして、

 見事に調理された「プログラム」を、どれほど輝かしく素敵な「味」に表現してみせるのか・・・それは、何より演じる選手自身であり、それを温かくも時に厳しい目線で見つめる我々「観客」である。

 

 バンクーバー五輪の時のような素晴らしい美味を、また味わってみたい。

 鈴木明子は、まだ終わらない・・・。