“本物”“大物”の原石 【長洲未来】
四大陸選手権で、もうひとり「面白い」選手がいた。
長洲未来。
ショートプログラムでは好成績を叩きだすも、何故かいつもフリーで、こけてしまうパターンが多かった。
また、心配をした。
「フリーでこけてしまうのか?」と・・・。
ところが、
私の心配など、取り越し苦労に終わった。
和風テイストのコスチュームに身を包み、スタートから「丁寧」かつ「大胆」に、挑戦してきた。
サユリ。
あんなに完成された「サユリ」を見たのは、恐らく私は初めてのことだった。
シットスピン
ジャンプ
ステップ ・・・等々。
ひとつひとつの要素を、とても丁寧なんだけれど、ダイナミックに演じている。柔軟性は、シズニーや浅田真央程ではないにしても、今回の四大陸選手権のフリーに関しては、スタンディングオベーションをしたくなるようだった。
それほど、「完璧」だった。
— 未来を、世界選手権に選べば良かった・・・そう思ってもらえる演技をしたい —
— (先に述べた内容を)言ったからには、しっかり魅せなくてはと、、頑張りました —
スタートとフィニッシュの際に、時に「変顔」を見せる長洲。
強烈な「負けん気」と「(上手くいった時の)達成感」のようなものが、ふっと力みを解いた瞬間なのだろうと思う。
無邪気だな・・・。
天真爛漫だな・・・。
強気だな・・・。
見ていて飽きない。
恐らく、「正直」な人なのだろう。裏表があまりないような気がする。
だから、時に誤解を受けることがあるかも知れないが、なかなかどうして、「面白い」選手だ。
本物
大物
いずれの「原石」ともなりうる、存在。
実況のアナウンサーが、思わず叫んでいた。
— 東京で会いたかった、長洲未来! —
私も、会いたかった。
世界選手権エキシビションで・・・。