鎮魂歌の愛と力 — 銀盤のレクイエム —
喝采を浴びながら、氷上に倒れ幕があがるのを待つ、安藤美姫。
レクイエム。
安藤と言えばレクイエム。いや、レクイエムと言えば安藤美姫とも言える。
もはや、このナンバーは彼女にしか演じることは出来ない。そう云わしめる程の「魂」が、このプログラムには宿っている。
氷から少しずつ顔をあげ、両手を見つめ、愛を捧げる安藤。
天空に旅立とうとしている幾千もの 星達と、夜空で自ら光り輝き、地上を優しく見守る 星達に、
そして、
地上から上を仰ぐ数々の生かされている人々に、
今、鎮魂歌は、確実に愛と力を奏ではじめる。
ほんの数分の一人舞台に、無数のオーディエンスが華を添える。
安藤の魂と、
観客の魂と、
数えきれないたくさんの魂とが、
儚くも力強く美しい、歴史に残る最高の舞台を作り上げていく。
こんなにも、彼女は美しかっただろうか・・・。
こんなにも、彼女のレクイエムが心の泉を掻き乱そうとは・・・。
あなたの涙を、
少しだけ分けてもらい、
今季最高のエキシビションを、心の底から堪能した。
スタンディングオベーションを、私からも贈りたい。
被災地県民として、溢れんばかりの感謝を、あなたに届けたい。
あなたの思いは、間違いなく伝わっているから。
ありがとう。