同じプログラムを演じることの難しさ — パトリック・チャン —
人間(ヒト)は、常に“いいもの(状況や環境含め)”を追い求めたがる・・・それが、本来の能動的な姿ではないかと、私は思っている。
昨シーズンのショートプログラムで用いた「テイクファイブ」。チャンの滑らかなスケーティングを、より一層美しく魅せる楽曲であり、プログラムだったという印象がある。
コノヤロウ!!
恨み節のひとつやふたつも叩いていた私は、昨シーズンのチャンの“最高の演技”に、「嫌いになりきれないな」とついには“降参”してしまう程だった。
だからだ。
いいものを魅せられた私の“目”と“体”は、スケートカナダのショートプログラムでの、チャンの演技を見て、一気にガクッ!ときてしまった。
昨シーズンも演じてるプログラムだ。多少の手直しはあったかも知れないが、今シーズン初めて挑むプログラムに比べたら、「慣れている」はずではないんだろうか?
シーズン始まったばかりだからね、まぁ多目に、ね・・・。
とは受け取れない。
いい演技を魅せた大輔と、さほど点差がないパトリック・チャン。
テツ&トモに歌っていただこうか?
ナンデダロウ?ナンデダロ?ナンデダ、ナンデダロウ??
人間(ヒト)の感覚は、いいものを追い求めたがる。一度いいものを見せつけられてしまうと、更に「もっと、もっと・・・」と上を求めてしまう。期待してしまう・・・。
最高の演技を魅せたプログラムを、引き続き演じることがいかに難しいか・・・それを感じずにはいられない、チャンのショートプログラムだった。