銀盤の舞-フィギュアスケートエトセトラ-

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大輔、チャン、フェルナンデス — スケートカナダ男子フリー —

ハビエル・フェルナンデス・・・

スペインの選手でありながら、ショートプログラムの時も割れんばかりの拍手とスタンディングオベーション。内容が素晴らしかったから当然と言えば当然なのだが・・・と思っていたら、コーチはブライアン・オーサー

カナダのトロントを拠点にしているから、拍手が多いのも当たり前か。

ショートは素晴らしかった。ジャンプがとても美しい。コアなファンではない私の母も、「この人のジャンプって、他の人よりクルクルクルクルッて回るね。うわぁ、綺麗」と絶賛していた。コアなファンじゃない“一般ピープル”に通じるというのは、「本物」でしょう。玄人にだけ理解出来るようなものを見ていても、面白くはない。

スペインのフィギュアスケート選手が(男子シングル)上位に食い込んでくるなんて、フェルナンデスも素晴らしいが、オーサーコーチの手腕も素晴らしいのだろう。

フリーはショート程の出来映えではなかったものの、身のこなし、指先や腕の使い方等、男性にしてはとても柔らかい。スケーティングも滑らかだと思う。

長身だしルックスも良いから、これから人気が出てくるんじゃないかな?

ジャンプの転倒やミスはあったけど、確かに“上手い”。このまま順調にいくと、チャンを脅かす存在になりそうな気がする・・・と思うのは、私だけだろうか?。

パトリック・チャン・・・

ショートプログラムでガックリさせられ、挙げ句にいい演技をした大輔と点差があまりなく、、、何だかなぁと思っていたが、フリーを見る限りは、憎たらしいが「上手い」。

あまり調子良さそうには見えなかったけれど、それでも何て言うのかな、、転倒はするんだけど、流れがスムーズ。やっぱり“滑らか”だわ。悔しいけれど。

アランフェス協奏曲と言うと、プルシェンコを思い出してしまう・・・。けれど、シーズン後半にもなれば、これも「名プログラム」と化すんだろうなぁ。

高橋大輔・・・

うーん、、、ブルースか、、日本人に馴染みのない曲調のブルースだなぁ。馴染みのあるブルースはもう少し違う。カメレンゴ先生は、難しい曲に振り付けされること。音、とりづらい。高橋大輔だから、難曲にもチャレンジ・・・なのかも知れないが。

悔しいが、ジャンプの美しさ(着氷してからの流れは特に・・・)は、チャン、フェルナンデスが上手いと思う。勿論、成功ジャンプのことだが、、。

大輔は、ちょっと詰まる時がある。というか、もう少し着氷後の足の流れ(氷に着いてない方の足さばき)をスムーズに出来たら、ジャッジの印象も違う気がするんだけど・・・。というのは、以前から感じていたことではあるけれども。

スピンも・・・特にドーナツスピンは“柔軟性”が要求されると思うから、うーん・・・どうなんだろう。申し訳ないが、大輔のドーナツスピンは個人的にあまり好きではない。スピードが落ちるんですよね、回転速度がどうしても。

フリーに関しては、大輔の技術点が低すぎる気はしたけれど、チャン、フェルナンデスの二人があまりに滑らかで軽々いってるので、大輔が表彰台に上がったことだけでも、まぁ、良かったかなと。

チャンの点の出方に関しては、毎度物議を醸す。

専門家じゃないから、よく分からないけれど、ひとつだけ。

一般ピープル”の私の母が、ショートプログラム「テイクファイブ」を演じたチャンに対して、

「・・・ん〜、(高得点)そーお?」

得点と心証は、必ずしも比例しないようだ。

しかし、確実に言えることは、

一般ピープル”に伝わるものは間違いなく「感動」を与える。コアなファンじゃなくても通じるというのは、実はとても大事な要素だと思っている。

そうでなくては、未来永劫発展などしない。あり得ない。

高橋大輔の演技に、より注目が集まるのは、“一般ピープル”にも充分伝わるからだ。魂が感じられるからだ。わくわくするからだ。

ふと、そんなことを考えた男子フリーだった。