素晴らしい課題—石川翔子—
エリック・ボンパール杯が始まっているが、先日行われたNHK杯の“余韻”を少し・・・。
トリノ五輪金メダリストの荒川静香の“振付け”ということで、話題性充分だった、石川翔子のフリー演技。
残念ながら地上波放送されなかったが、有難いことにNHKは、NHK杯ホームページにて各選手の演技を「動画」で確認することが出来る。しかも、どこでGOE(グレート・オブ・エクスキュージョン)、つまり出来栄え点がどのくらいついたかも、素人にも分かりやすく確認出来るようになっている。
話題性充分ではあったが、だからだろうか、石川翔子、とてつもなく緊張していたように見えた。
私自身、フィギュアスケートファンだという“認識”はしているつもりだが、所謂「コアなファン」ではない・・・と、自分自身は思っているし、多分この先もコアなファンにはならない、いや、なれない自信は大いにある(苦笑)。
一般の人より、ちょっとだけフィギュアスケート好きなんだよ・・・で、私自身は充分だと思っている。
(私がブログを続けている趣旨が、一般の方に少しでもフィギュアスケートに立ち寄って欲しいな・・・という思いがあるため。)
そんな私は、コアなファンの方のような「分析」は出来ない。疲れている時に、3Lo、2A・・・と略記号が並ぶと、スイヘイリーベ僕のフネ・・・「元素記号」のように見えてくることがある(笑)。
それ故、専ら自分の感覚のみを頼りにしている私が感じた、荒川静香振付けのミス・サイゴンは・・・
いいんじゃないか!?
ということだった。
緊張感いっぱいで押しつぶされそうだった石川翔子は、何とか気力で演じていたようにも思える。
少し、肩の荷が重かっただろうか・・・。
いや、そんなことはないはず。
2年越しでやっと荒川静香を“口説いた”石川翔子だ。どう演じようか、どんな舞にしようか・・・大事に扱うあまり、責任感が大きく緊張してしまったのかも知れない。
NHK杯では、下位成績に終わってしまった翔子だが、プログラム自体は、荒川静香らしさも感じられる、品の良い振付けだと私は感じた。
シーズン跨いでも、時間がかかっても良いから、是非とも“自分のもの”にしてもらいたい・・・と、石川翔子に対して、願わずにはいられなかった。
この素敵なプログラムを、次はどう演じてくれるのか・・・石川翔子にとってはハードルが低くはないかも知れない。何たって荒川静香初振付け作品だ。
だが、「初」に出会える確率なんて、人生そうあるものではない。ましてや、金メダリストが織り成す世界観を、石川翔子は「独り占め」している。
何とも素晴らしい課題を与えてもらったではないか!?
この“素晴らしい課題”を、乗り越えてくれることを祈っている。