銀盤の舞-フィギュアスケートエトセトラ-

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【銀盤の舞】羽生結弦が気付かせてくれた—心の持ち方—

先日のロシア杯で、羽生結弦が逆転優勝を果たした。2位のハビエル・フェルナンデスとは、何と0.03点差。引き分けと言ってもいい程の僅差だが、勝負は勝負だ。

NHK杯だけではなく、ロシア杯でも、日本は男女シングルW優勝を果たした。

五輪や世界選手権ではない、グランプリシリーズの優勝だから、扱いもさほどではないが・・・古くは、佐野稔、五十嵐文男、渡部絵美伊藤みどり・・・日本人が表彰台に、しかも男女シングルW優勝の時代がくるなどと、誰が想像しただろうか?

羽生結弦

高橋大輔浅田真央に比べたら、知名度は全く低い。大輔や真央の場合、フィギュアスケートを見ない、知らない「一般」の人間でも、フルネームで答えられる。

羽生がそこまでになるには、もう少し時間がかかると思う。思うが、必ず世界に大きく羽ばたく選手になるであろうことは、素人の私が見ていても充分確信出来る。まだまだ「化ける」要素はたっぷりとある。

そんな延びシロのある期待の新星、羽生結弦がロシア杯で「初優勝」した。

ショートプログラム2位からの逆転優勝。

震災以降、仙台のホームリンクが損壊し、練習場所を求めて全国を歩いた羽生。アイスショーに出演すれば、練習を兼ねて「試合のつもり」と必死に演じながら、体にたたき込む。

アイスショー出演のために来日しているトップスケーターからは技術のアドバイスをもらうなど、小さな瞬間も時間も大切に、歯を食い縛り練習してきた羽生結弦を思うと、私も見習わないといけない。

テレビ放送がなかったので、優勝の瞬間を見ることは出来なかったが、彼のフリー演技を何度も動画で確認した。

被災地へ、

被災者へ、

思いを届けたい・・・その願いは、ファイナルでも実現してくれるだろうと信じている。

どうやら、仙台のアイスリンクは無事修復が成されたようだ。良かった、、。

私の地元紙、岩手日報には浅田真央と変わらないスペースで掲載されていた。

恐らく仙台では、もう少し話題になっていると思うが・・・。

若き16歳から、「ケ・セラセラ」成るように成る、立ち上がろうよと、背中を押された気分だ。

羽生結弦の“思い”も通じたが、彼に勝たせたい、勝たせてやりたいと思っていた私の“執念”も、通じた。

優勝を知った時、私は涙が溢れて止まらなかった。

夕焼け様が、アッという間にブログ界を去ってしまい・・・脱力感が襲った。ブログのトップ記事も、しばらく「夕焼け様、ありがとう」のままにしていようかと思ったが・・・私が、羽生結弦を書かずして、どうする?!

しつこいと思われようが、いつまでもくっつけるなと言われようが、東北の人間にとって「東日本大震災」は、忘れることは出来ないし、忘れてはならない。

羽生結弦と結びつけるな、スポーツと結びつけるな・・・そんなこと言われても、それは無理だ。

非常事態を経験した羽生の心は、これからは前向きにどんどん強くなっていくだろう。ロシア杯では、それを証明してくれたと思う。

勇気と元気をありがとう。

羽生結弦と阿部奈々美コーチ、リンク提供してくれた関係者、アイスショーの観客の皆さん、リンク修復作業員・・・皆さんに、心より、感謝、そして《乾杯》!

(ブログカテゴリー:羽生結弦)