【銀盤の舞】スケーティングにも注目した報道を—大技の魅力—
師走・・・何てうまいネーミングなんだろうかと、今頃になると毎年同じことを思う。
しばれるなぁ、、母ちゃんの味噌汁が、美味いんだよねぇ、、とは、我が岩手が生み出した歌手、千 昌夫の歌の一節。“しばれる”とは、寒いということなんだけど、私の周囲の若い方々は言わない。私?・・・言わない(笑)。
そんな“しばれる”最中、ロシア杯に参戦していた浅田真央と羽生結弦が、帰国した。
一部のメディアの情報しか目を通せないが、ほぼ同じようなことが書かれて(質問されて)いた。
とかく浅田真央に関しては、— トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を今回外しましたが・・・?—
— 今後、トリプルアクセルはどうされますか?入れますか?・・・—
浅田真央に対しての記者達の質問には、必ず「トリプルアクセル」の単語が入ってくる。
女子でトリプルアクセルを跳んで下りられる選手と言えば、かつては、伊藤みどりさんという“天才スケーター”が存在し、中野友加里もトリプルアクセルの使い手だった。
たが、今現役の選手では、浅田真央しかいない。ロシアのエリザベータ・トゥクタミシェワも練習では成功しているようだが、公式試合では私はまだ見たことがない。
それだけ、ジャンプの中でも一番難易度の高いジャンプだ。そこに注目が集まるのは、ある意味やむを得ない。外国の選手も出来ない「大技」を、我が日本の浅田真央が出来るなんて、落ち着いて考えれば、それは素晴らしい事実。日本人て、棄てたもんじゃない。優秀だよ。日本人であることを、もっと誇りに思わなきゃもったいないよ。
誰に言ってる?
外国人を羨んでる人に・・・。
話しがそれた(いつものことだ)。本題に戻そう。
大技に注目したいのは非常によくわかるし、記者の中には、「国民が知りたいと思っているかも知れない。」事柄を、代表して質問してくれている“役割”も、あると思う。皆、そうだとは言わないが・・・。
そのお陰で、浅田真央=トリプルアクセル という構図が出来上がり、フィギュアスケートに詳しくない方などは、トリプルアクセルはいつ跳ぶのか?トリプルアクセルがないと物足りない・・・そう感じる人が出てきたとしても、不思議ではないし別段悪い事ではない。
ブログをやり始めて、フィギュアスケートをじっくり見つめるようになってから、この頃よく思うことに、
そろそろ、「本物」を伝える報道・・・フィギュアスケートの美しさ、楽しさ、素晴らしさ・・・大技がいかに魅力的なのかは、とてもよく分かるのだが、スケーティングがいかに重要なのかという点について着目した報道がなされても、いいんじゃなかろうか?
佐藤信夫コーチに師事してからの浅田真央のスケーティングが、いかに洗練されてきているか・・・トリプルアクセル以外の要素、技術、表現力・・・浅田真央に関して言えば、お世辞抜きにその「表情」たるや、自然な笑みが零れるようになった・・・フィギュアスケートを知らない人にも、その魅力や変化を、もっと伝えてもいい、いや、伝える必要があると、私は思う。
ノーベル賞を受賞してから、アカデミー賞候補になってから、いつも国内のメディアが騒ぎだす・・・何故か“後手”に回る。
外国が「スッパ抜く」前に、日本のことは日本のメディアがクローズアップすべきだと、いい加減感じるのだが・・・(苦笑)。
ちなみに、信夫コーチに師事してからの“今の”浅田真央のスケーティングの方が、私のストライクゾーンにはまっている。滑らかなスケーティングや体から溢れる表現力が優れた選手が好きな私のストライクゾーンに、浅田真央が入り始めている。