高橋大輔、羽生結弦、鈴木明子に心から、“ありがとう”を送りたい — グランプリファイナル —
グランプリファイナルも、男女シングルは幕を下ろした。
浅田真央の欠場により、メンタルスポーツであるフィギュアスケートだ、最初はどうなるかと思ったが、日本人選手3人とも、よく頑張っていただいたと思う。
ショートプログラムでは精彩を欠いた高橋大輔だったが、フリーではやはり魅せてくれた。欠場せざるを得なかった、しかも母親の急死というあまりに辛すぎる出来事に遭遇してしまった浅田真央の心中を察するかの如く、渾身の演技を魅せてくれた。
(※あくまで私の個人的な見解によるもの。決して断定しているわけではないので、念のため。)
インタビューで、浅田のことを聞かれた大輔の目が、潤んでいた・・・ように見えた。「(リンクに)戻りたいと思った時に、戻ってきてくれたらそれでいい・・・」彼の眼差しが、優しかった。
私の中では、彼のフリー演技が1位だ・・・。
昨シーズン、フリー後半で必ずボロボロになる羽生結弦だったが、今シーズン、彼は随分成長した。エンディングで疲れが出たものの美しいジャンプを連発、ステップからは「何クソッ!」とばかりに、意地を見せた。高橋大輔とは違う魅力が、この人にはある。
大輔より、加点が取れる美しいジャンプを持っている羽生に、チャンのようなスケーティング技術(深いエッジワーク)が備われば、かなりの強者になるような気がする。海外にいかず、東北は宮城に拘り練習を続ける羽生結弦を、東北の人にもっと紹介して欲しいが・・・。
フリーのステップからの演技は、今シーズンの羽生のプログラムの中で一番好きな部分だ。惹き付けられる。個人的に、「頑張ったで賞」を送りたい。
浅田真央の欠場により、女子シングルで日本人ただひとりの選手となってしまった鈴木明子。
やはり、プレッシャーはあったのではないかと思う。フリーではジャンプのミスが多かったが、昨シーズンまでの明子ならガタガタと崩れていたところを、今シーズンは崩れずに何とか滑り切った。
勝負師として大切な「負けん気」も、今シーズンは顔を覗かせている。「演技内容には納得していない。悔しい。」これは、頼もしいことだ。
昨シーズンより、技術も心身もともに飛躍を見せた鈴木明子に、感謝の気持ちでいっぱいだ。
フリーに関して、私の中では高橋大輔が1位になっている。
感動を与えてくれた演技も、高橋大輔が1位だ。羽生結弦が2位。
ということで、察していただきたい(苦笑)。
ジャッジと私の感動とは、必ずしも連動しない。
— 人間だもの (相田みつを) —
日本人選手3人には、心から「ありがとう」を送りたい。