銀盤の舞-フィギュアスケートエトセトラ-

スポナビ+ブログから引っ越してきました。

2011年への感謝と、2012年に思いを込めて — 書き納め —

録画しておいた全日本選手権エキシビションを、「地上波で見たいのないから、エキシビション見ようよ。」と母に言われ、夕飯時一緒に見た。

普段頂くコメントの中に、何名かの方からその言葉を頂戴するので、「私の文章ってそうなのか?!」と改めて思うことに・・・「いつも冷静」なんだそうだ。他人事のような表現で申し訳ないが、あまり自覚はしていない(苦笑)。

意識しているのは、「極力中立」でいること、だろうか・・・。私が言うところの中立は、実際文字に起こしている部分もだが、文字には表していない「行間」にも、なるべくそのように配慮している(つもり)。

そんな“冷静”な私でも、全日本選手権では正直、冷静に応援することなど、不可能だった(汗)。「エッジが浅いなぁ。」とか「スケーティングがなぁ・・・」等、落ち着いて観察など、していられなかった。

地上波で観戦したから、勿論「編集」されているのは知っている。生放送ではないということは・・・。しかし、リアル性を味わいたい私は、国内試合くらいは「ドキドキしながら」応援したいのだ、例えテレビ画面の前であろうとも。

一切の情報をシャットアウトし(ネットは見ない)、フジにチャンネルを合わせて、「ねぇ、ちょっと山田コーチ、すごい毛皮来てるよ!隣の人も毛皮だね。コーチって、儲かるの?」等と、私が知る由もない質問のオンパレードに毎回“上の空”で回答ならぬ回答をしながら、テレビ観戦するのだ。

何故だろう?

グランプリシリーズはかなり冷静に見つめているのが、全日本選手権ではそれが出来ないのだ。それだけ、“面白い”試合だということなんだろうと、自分では分析しているが。

それだけに、試合では気付けなかった、選手の長所や短所をエキシビションで発見することもある。

全日本選手権エキシビションに出演した二人の演技を見て、つくづく「やっぱりスケーティングが上手い」と感じた、パトリック・チャン荒川静香

小塚崇彦が優等生の正統派スケーティングだとするならば、チャンのスケーティングには、「パワー」が加味されているように見える。確かに、エッジが深い。かなり深い。一蹴りで進む距離が、他の選手よりも長い。

荒川静香のスケーティングも、無駄がない。余計な力がなく、軽く一蹴りしながら水面を鳥がスーッとかけていくかのように、ジャンプに入る姿勢も上下動がない。各エレメンツ(要素)に移る時の姿勢やスケーティングが、スムーズだ。よって、スケーティングや姿勢で、流れるメロディを途中で壊すことがない。

ここ何回かのエントリーで、チャンに注目した記事を書いてきたのだが、私は特別彼のファンではない。ファンではないのに、何故取り上げてきたのか?

バンクーバー五輪前後の、浅田真央VSキム・ヨナの採点騒動・・・正直、これにかなり辟易したからだ。 厳密には、採点騒動に辟易したわけではない。誹謗中傷に辟易したのだ。

高得点を叩きだせば、必ず選手の悪口合戦になる。仕舞には、○○選手のファンは・・・となる。

この○○選手のファンは・・・という表現は、私が最も好きではない表現だ。

誰しも好き嫌いがあり、物の見方や感じ方は人それぞれだ。千差万別で私は良いと思っている。

しかし・・・、

選手への誹謗中傷やファン同志をどうのこうのとは、フェアじゃないと私は感じている。

メディアに対しても、「マス○ミ」とゴミ扱いをする一部の人間が存在するが、我々が受け取る情報のほとんどは、そのゴミ扱いされているメディアから受け取っている。ならば、受け取る側の我々も「ゴミ」だと言っているに等しいと言えなくもないのではないか・・・?!。極論ではあるが。

インターネットというものが流通して、情報を得る手段は無限大に広がった。その分、有益無益な情報があるのも事実。その中から、いかに取捨選択していくかはその人個人に関わっている・・・と言っても、過言ではないだろう。

だが、インターネットに触れることの出来ない人間も未だ数多く存在する。取捨選択しきれない場合も、数多くある。

新聞や放送局等のメディアには、そういう方々にとっても我々にとっても、「心の懸け橋」になって欲しいし、そうであって欲しいと、東日本大震災を経験した今の私は、切望する。

誹謗中傷や悪口合戦からは、何も生まれない。

それらがいかに醜い言動、行動なのか、つまらないことなのか・・・震災を経て尚更実感した。

東日本大震災という未曾有の大災害があり、たくさんの人々の運命を狂わせたが、同時に「真心の有り難さ」に此れ程気付かされたことも無かったかも知れない。

大自然の前では、人間なんてちっぽけなものだ。

だからこそ、向上心は失いたくないと思う。希望は尚更だ。

本当ならば、「現場」に行って選手や関係者に取材したいと何度思ったか分からない。だが、残念ながら、私は全く関係ない仕事をしている。

メディアが伝えないなら、私が!と、どれ程地団駄を踏んだか数えきれない。

私のブログが、そんな「心の懸け橋」となるような、ほんの一瞬でもいい、そのように感じていただける瞬間があったなら・・・それ以上の嬉しいことはない。

誰かのために・・・

そんな文章を書きたいと思っている。

チャンに注目してきたのも、誹謗中傷や悪口合戦を少しでも減らすきっかけになることが出来るのなら・・・、私の文章が少しでもお役に立てるのなら・・・、そういう思いに他ならない。

いつも行間に思いを込めすぎて申し訳ない(大汗)。

“分かりやすい文章を”— これが、私の永遠のテーマかも知れない 。

最後に、町田 樹の今季のエキシビションナンバーを見て、正直初めて彼をカッコいいと感じた。

試合でも、このスキルとカッコ良さ、どんどん出して欲しい。

今年コメントを下さった皆様、昨年からの皆様、そしてコメントは出せずともいつもご覧下さっている皆様へ、本当にありがとうございました。

失礼の数々は、年末に免じてお許しの程を。

来年が、皆様にとりまして絆深く笑顔の多き一年となりますよう、心よりお祈り申し上げております。

今年一年、本当にありがとうございました。

また、新年お会いしましょう(^_-)。

どうか、良いお年を。

しばし、休筆です^ロ^;