銀盤の舞-フィギュアスケートエトセトラ-

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鈴木明子、村上佳菜子、浅田真央 — 世界フィギュアスケート選手権大会2012 —

試合日程の関係もあり、どうしても女子シングルについて文字におこせないで終わってしまうケースが、最近は毎回だ。

男子シングルのように、採点表(プロトコル)とにらめっこする時間がないため、手短にタイトル通り、日本人選手についてのみ、今回は書いておきたい。

浅田真央・・・

ここにきて、母親の死去が少なからず心理面に何らかの影響をしているのではないか・・・と感じられて仕方ない。

申し訳ないが、ショートプログラムを演じる前から、結果は思わしくないなと、感じてしまった。表情がとても険しかったからだ。昨今の「上向き」な浅田真央というのは、心配で心配で仕方なかった以前に比べて、リンクサイドで信夫コーチと話している段階から、「安心」して見ていられる落ち着きさえ感じられていたことを思えば、今大会における浅田真央は、少し逆戻りをしてしまったかとさえ感じた。

フリーの際は、険しさより不安げな表情を見せていたから、表彰台は無理だと確信した。

それでも、どんなに調子の悪い時でも、彼女の演技構成点はさほど減点はされない。今回のフリーに関しては、コストナーの次に演技構成点が高い。

だから、余計に勿体ないのだ。要素(エレメンツ)にミスが多くなると・・・。

今の浅田真央に関して言えば、3アクセルに拘り失敗して順位を下げるよりも、手堅くいって少しずつ世界ランキングを上げていく方が、得策な気がするのだが・・・。

村上佳菜子・・・最高のショートプログラムだったが、またしてもフリーで沈んでしまった。ジャンプはダイナミックでいいんだが、私は彼女の「姿勢」が気になって仕方ない。本人も分かってはいるようなので、来シーズンは矯正してくれたらと思う。

多少の猫背気味なのと、ジャンプに入る時の構え(癖?)が、どうしても全体の美しい流れを遮ってしまうのだ。村上佳菜子には力がある。滑らかなスケーティングを手に入れ、姿勢も美しくジャンプに入る構えも流れるように・・・なった際には、かなりの選手になるはず。と、私は思う。

鈴木明子・・・私の地元紙「岩手日報」よ。何で、銅メダル獲得の鈴木明子の写真掲載がないのだ?何で記事だけなのだ?浅田真央の写真は掲載されていたが・・・。

いつも、こうだ・・・勝っても勝っても、メディアには「三番手扱い」。

27歳にして、世界選手権初銅メダルがどんなに「当たり前じゃない」ことか、分かるだろうか?

ジュベールだって27歳。彼もまた、地元フランスのメディアからは既に過去の人かのような扱いを受けているとも聞くが・・・。

確かに鈴木明子は、派手さはない。地味だと言われたらそうかも知れない。

しかしだ、

そんな地味だった明子が、今シーズンは、メイクからコスチュームから、かなりセンスが良くなったことをお気づきだろうか?

明子が1シーズンで、3度もコスチュームを変えるなんて、私は知らない。「本当に勝ちたいんだな。」と、フリーの青いコスチュームを見て、そう感じた。

鈴木明子は、国内大会やBランクの国際試合にたくさん参戦し、コツコツとポイントを稼いだ結果が、世界ランキング2位という結果に繋がっているようだ。

後半のジャンプでまたミスが出たが、神様が「まだ辞めるな」とそう仕向けたのかも知れない。

願わくば、ソチ五輪の表彰台を花道にさせてあげたいと思うけど・・・、厳しいか・・・。世界選手権の表彰台乗りより五輪の表彰台乗りの方が、世間一般へのアピールも大きいのだが・・・。

つくづく感じるが、ワイドショーやメディアは、常々騒ぎ過ぎ、煽り過ぎだ。

フィギュアスケートの試合を放送するテレビ局も、毎回毎回「煽り」「ポエム」を流す時間があるなら、ペアやアイスダンスを織り込めと言いたい。

選手の皆さん、ありがとう。お疲れ様。