銀盤の舞-フィギュアスケートエトセトラ-

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スローナンバーで魅せつけたチャンの“底力”

地上波では、編集でかなりカットしていたと思うが、国別対抗戦2012のエキシビションの放映が終わった。

会場の観客が羨ましい・・・そんな思いにさせてくれた選手には、ありがとう、お疲れ様と今シーズンの感謝の気持ちでいっぱいだ。

男子フリーの記事で振り返る予定だったパトリック・チャンを、エキシビションを交えて少し触れたい。

世界選手権のエキシビションからだった気がするが、スローなナンバーのプログラムに変えてきた、チャン。

改めて感じたことに、「彼はやっぱり上手い!」ということだった。

高橋大輔が、「(チャンも)どちらもミスなく演じた場合、今のままではパトリックが勝つ。」といった発言をしているが、間違いではない。確実にその通りだ。素人の私にも分かる。間近でチャンの技量を見つめている大輔だからこそ、世間やメディアがどう騒ごうと、浮かれず冷静に“先を”見据えてこそのコメントだろう。

今回チャンは、すこぶる調子が悪かった。見ていて、いつもよりは軽やかさを感じられなかった。

GOE(加点)では二桁稼げる選手だが、フリーではジャンプの転倒も響いてわずか6.69点のみ。彼にしては相当悪い得点だが、それでも演技構成点(PCS)がさほど下がらないのは、「技術点TESで評価を受ける要素以外の、スケーティングやエッジさばき等の技術が、優れている。」からだろうと感じている。

演技構成点とは、昔で言う芸術点とは違うのだ。

試合よりエキシビションで感じる選手の魅力というものがあるが、スローナンバーで静寂かつアクティブに舞うチャンのスケーティングを見ていると、本当に美しいと感じた。

しかも、「表情」がある。表現力を磨いているんだなということを、見せつけられた、そんなパトリック・チャンエキシビションだった。