愛と情熱の似合う男 高橋大輔— エキシビで魅せつける豊潤な色気 —
— 新しい恋が始まるように、よそ行きの服を新調する君は
「どう?似合うでしょ」って、何度も僕に尋ねてくる。
だけど、いつも どこかチグハグなんだ・・・そろそろ教えてあげようかと、君の背中に手を伸ばすたび
「あら、やだ!私ってば。ねぇ?、やっぱりこっちの服がいいかな?あなたはどう思う?。」
散々悩んだあげくに結局、最後はいつものお気に入りの服に袖を通す君。
毎度出掛けに振り回されて
いい加減、くたびれるけど
最後は決まって、僕の意見を求めてくる君。
結局、僕はそんな君が、愛おしいんだろうな — (by 銀盤の舞y-love)
そんな光景をふと想像しながら、結局、私も最後はこの男、「高橋大輔」に戻ってきてしまう・・・。
ひときわ大きな歓声を浴びながら、リンク中央に独特な空間を携えた一人の男は、幕があがるのを待っていた。
久しぶりに見る「ブエノスアイレスの春」は、競技ナンバーからエキシビナンバーへと、新たな色が加えられ変化していた。
今シーズンのフリー楽曲には、クラシックを用いている大輔。ここ何年か、タンゴやジャズなど、クラシック以外の楽曲が続いていたから、ずいぶんと久しぶりではないだろうか。
それだけに、新鮮ではある。
しかし、
高橋大輔には、「愛と情熱」を彷彿とさせる楽曲が、どうしたって似合ってしまうのだ。
髪をかきあげる、
頭をキュッと動かす、
頬を撫で下ろす手、
観客にアピールする腰つき、
腹が立つほど、女心をかきむしられる。
何て、色っぽいのさ。
羽生結弦の台頭に、「やばいです。」と素直に認める高橋大輔だが、結局最後はいつも、大輔色に染められてしまう。
チケット取れていたら・・・と思うと、今更、悔しさが込み上げてくるが、高橋大輔のエキシビションは、そんな私の淀みを、いとも簡単に“豊潤な色気”で、洗い流してくれた。
この男には、濃い世界がよく似合う・・・。