銀盤の舞-フィギュアスケートエトセトラ-

スポナビ+ブログから引っ越してきました。

選手のどこに惹かれるんだろう・・・?

こちらは、穏やかな元日だった。元日に初詣をしたのは、何年ぶりだろうか?

一昨年、昨年と、立て続けて“大吉”を引いた私は、苦痛な状況に追い込まれた・・・頼むから“大吉”はもう勘弁してくれ・・・祈りながら引いたおみくじは、“吉”だった。

今年は、心穏やかに過ごせそうな気がしている・・・。

元日早々から、ブログに目を通すことはないのだが、記事エントリーを何故か「旧暦」のままにしていたくなかったので、新規記事をアップすることにした。

と言っても、正月から「あぁでもない、こうでもない」とくだをまくのは、今年1年の第1歩に相応しくないだろう。軽い話題でいってみたい。

— また、音楽ネタに脱線するワケ?—

— そんな先のことは、分からないさ —

(何か、映画のセリフでしょ?!これ・・・何だっけ?ってか、気取らんでいいってば。)

当ブログの読者さんで、1984サラエボ五輪のアイスダンスを、当時ご覧になっていた方は、どのくらいいらっしゃるだろうか?

そう・・・「伝説のボレロ」が誕生した、あの瞬間だ。

イギリスの、トービル&ディーン組というアイスダンスの選手がいた。

サラエボ五輪 フリープログラムで、二人は「ボレロ」を演じたのだが、当時の6点満点の採点で、ジャッジ全員が「アーティスティック・インプレッション」(芸術点。今の演技構成点とは違う。)で、「6点満点」を出したのだ。

1984年と言えば、私はまだ10代だから子供と言えば子供だ。

その子供ですらも納得出来たほど、二人の演技は素晴らしかった。

勿論、今の採点基準に照らし合わせると、ルールも異なるから、見方は様々かも知れない。

しかし、今、動画サイトで改めて演技を見つめても、不思議と当時と同じように惹きよせられていくのだ。

決して派手な演技をしているわけではなく、選手自身が目立つタイプというわけでもない・・・にも関わらず、何故、何年経っても魅了されるのだろうかと考えてみた。

今のアイスダンスのルールはよく分からないが、あの当時は、二人が5秒だったか10秒、体が離れてしまうことはいけないというルールがあった(と記憶している)。だから、映像を見ると分かるのだが、常に寄り添いながら演じている。体のどこかが必ず触れている。離れる時間帯は少ない。

その密着した空間に、トービル&ディーン組は、「ボレロ」という、ややもすると退屈になってしまいがちな、単調になってしまいがちな楽曲を、飽きさせずに演じてみせたのだ。

何故だろう?

何故、飽きない?

何故、魅了される?

これは私個人の好みかも知れないが、二人の演技は「競技」としてのアイスダンスよりも、「芸術的」なアイスダンスとして私の脳裏に焼き付いたからだと思う。

まるで、ひとつのミュージカル、映画、ドラマを見ているようなのだ。

明らかに、ストーリー性ある「ボレロ」なのだ。

ここに、息のあった二人の呼吸と色と情が絡み合う。

今でこそ、シングルの選手もボレロを演じることがあるが、かつては「伝説のボレロ」と言われ、しばらくはボレロを演じることに、選手もかなりのプレッシャーがあったのではないかと思われるくらいだったのだ。

私は、トービル&ディーン組以上に感銘を受けた「ボレロ」に、未だ出会ってはいないが・・・。

選手のどこに惹かれるのか?を考えた場合、どうやら私には、いくつかポイントがあるようだ。

● 呼吸が乱れない(スケーティングが乱れない)

● ストーリー性あるもしくは芸術的な舞である

● 情熱(内側から醸し出される空気感。色気もここに含まれる。)が感じられる

という点になるようだ。

決して、技術的に優れている選手だけというわけではなく、心に訴えかけてくる何かをキャッチした瞬間、私は惹かれていく・・・ということに、改めて気付いた。

皆さんは、選手のどこに惹かれるだろうか?

今年1年が、良き1年でありますように・・・。

余談:心穏やかにしてくれる本日のオススメCD

ザ・プリースツ(ローマ・カトリック教会の歌う神父3人組)

「ザ・プリースツ」(BMGジャパン 2008年)

収録曲:アヴェ・マリア(F.シューベルト)、祈り、ピエ・イエス、オー・ホーリー・ナイト 等全15曲。

癒されたい方、疲れている方等には、特にオススメなCDです。