笑顔と涙の熾烈な戦い
胃が痛かった・・・私が緊張してどうする?
そう思いながら、先ほど長い死闘を見終わった。
ショートプログラムで、参考記録ながらも、パトリック・チャンを唸らせるほどの高得点を叩きだした羽生結弦。
「これで、チャンと互角に勝負出来る選手が登場したな・・・」
そう思いながら、ここまで高得点になると、仙台市に本拠地を置き、体力すり減らしながら魂込めて、必死に演じていた時代の羽生が、ふと懐かしくなってくるから皮肉なものだ。
日経新聞は、ショート1位の羽生ではなく、2位につけた町田 樹の写真を大きく載せていた。
会心の演技 — 町田 樹 —
確かに、町田の演技の方が心に響いてきたし残っている。この人は、エキシビションの振り付けも自分で行える人だから、演技の構成や魅せ方などにも今シーズンは拘りを見せている。
その拘りが、今日のフリーにも繋がったのだろう。
昨シーズンまでの町田 樹はもういない。それは間違いないと、もう言い切ってもいいのではないだろうか。
「火の鳥」も見事だった。本当にソチへ行きたいんだなと、意志の強さが感じられる。この調子を保って欲しい。
グランプリファイナルに高橋大輔の姿がなくどこか寂しさを感じたが、かと言ってただ姿があればいいのか?と言えば、それも違う・・・ということが、今更ながら分かった今大会。
やはり、足が痛いんだろう。全くもってジャンプが決まらない。
試合後のインタビューで、あんなに目頭を熱くし、声を詰まらせながら言葉を探している高橋大輔を、私は知らない。
「これで終わったわけではないですからね・・・。」
そう言って、昨シーズンの今頃は涙が止まらない鈴木明子を優しく慰めていた高橋大輔・・・。
これで終わったわけではない・・・今度は大輔を慰めたいところだが・・・五輪選考会だ。そうも簡単に言葉をかけることなど、出来はしない。
ただ言えることは、高橋大輔は間違いなく日本が誇る唯一無二の選手だということ。本田武司の後、日本の男子シングル界を牽引してきたのは、他でもない高橋大輔だということは、私が言うまでもない。
「このままで終わる人ではない」
と、信じている。
※ 大輔ショックが尾をひいて、他に何も書けなくなってしまった・・・小塚選手、織田選手ごめんね。
あと・・・女子シングルは素晴らしかった。