銀盤の舞-フィギュアスケートエトセトラ-

スポナビ+ブログから引っ越してきました。

世界エキシビで見た、コストナーの美しさ

 本当に美しかった…カロリーナ・コストナーのスケーティング。

 テレビで見るよりも、実際、さいたまスーパーアリーナでその滑りを目の当たりにして、「何で、この人は転んでも演技構成点が低くならないのだろう?」と思っていた私の心を、一瞬にして、「本当に滑らかで品のある美しいスケーティングをする選手である」ことを改めて強く認識させた。同時に、「こんなに美しいスケーティングなら、なるほど少々の転倒もカバー出来る。」と、私は納得した。

 彼女のスケーティングはよく言われるのが、「漕がない」という表現だが、まさにその通りだった。余計な力は入っていないように見え、品よく氷を舐めるように弧を描いていく様は、とても清らかな川の流れを見ているような、街中の喧騒を忘れさせてくれるような、心地よいエッジワークであった。

 素人目で恐縮だが、世界エキシビで見た限りでは、コストナーが抜群だった。

 エキシビション楽曲は、「イマジン」。

 Imagine there's no Heaven から始まるビートルズの名曲。

 平和を願う歌という印象が強いが、それは何も戦争によるものだけではないのではないか…。普段の私たちの何気ない日常生活の中においても、色々なことが起きる。小さな問題から大きな問題まで…。

そういった日常においても、「イマジン」は戒めとなるような気がしている。

 イマジンが発表されてから、相当月日が経過したが、それでもなお世界中の人々の脳裏に焼き付き、耳が覚えている名曲を、競技スケーターとしていったん一区切りしたいというこのシーズンのエキシビションナンバーに選んだコストナーは、今、何を思っているのだろうか?

 イマジンの曲に乗せて、コストナーはゆったりとアリーナを舞っていた。

 ジャンプに苦労して、成績が伸び悩んだ苦しい時期を乗り越えての挑戦に、敬意を表する。

 本当に美しかった。

 コストナー、素敵な舞をありがとう。