銀盤の舞-フィギュアスケートエトセトラ-

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もう一人の「ダイスケ」-村上大介-

 NHK杯-マスコミはこぞって、羽生結弦の名前を全面に出していた。時折、申し訳程度に無良崇人の名前が出てくるくらいで、村上大介に至っては、「誰それ?」的な扱いだった。

 その村上大介が、NHK杯男子シングルを初制覇した。2年前には、同じ舞台で肩を脱臼し、無念の棄権。

 どれほど悔しかっただろうか…。戦えた試合を目の前にリタイヤするということが…。

 その悔しさから、よくぞ這い上がってきたものだ。

 正直、村上大介の存在は知ってはいたが、「ダイスケ」と言えば、どうしても私には高橋大輔の顔が浮かんでくる。

 リンクに登場し、会場に「ダイスケ~、」というあの独特な言い回しのコールが流れてくると、つい「タカハシ~」と脳裏にインプットされた名前が出てきてしまうのだが、今回は「ダイスケ~ムラカミ~」なのだ。

 もう一人のダイスケ。

 それは、村上大介である。

 どことなく、町田樹のスケーティングスタイルを感じさせるものあるが(ジャンプの完成度や雰囲気が)、これからもっと「村上大介」らしさが出てくればいいと思う。(あくまで私の感じ方なので、念のため。)

 昨夜のフリー演技は見事だった。完璧だった。

 見終えて私は、頭上高く手を叩いて称賛していた。

 残念ながら、ショートの演技を地上波で見ることが出来なかったのだが、マスコミが世間がこぞって、羽生と連呼していた中、新星の如くあらわれた村上大介を、もう少し取り上げてくれてもいいのではないか…。

 優勝したのだから。

 

 表彰台に上がった村上大介は、心底嬉しそうだったのが、私にはとても微笑ましく印象に残った。

 何年か前のNHK杯で、初めて台乗りしたアメリカのロス・マイナーを思い出した。素直に喜んでいた彼を見て、「性格良さそうな人だな」と感じたことをついこの間のことのように、思い出していた。

 

 村上大介…いい意味でもっと個性を発揮して、今後の日本男子シングル界を面白くしていってもらいたい。

 初優勝、おめでとう!!