銀盤の舞-フィギュアスケートエトセトラ-

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一段と飛躍した本郷理華

グランプリシリーズ中国杯の女子フリーの放映が先ほど終わった。(何だろう、今回は浅田真央初戦のためか、女子に偏った放映になっている。)

浅田真央のショートは見事だった。個人的にjazzが好きなので、ショートプログラムの楽曲は気に入った。

また、今まで色気が足りないと言われていた浅田に「色気」をもたらしてくれている楽曲であり、振付でもあると感じた。身のこなしがとても女っぽくて、こういう雰囲気の振付と楽曲を待っていた。

1年休養したことがとてもいい化学反応を起こしているような、新たな表情を見ることが出来て嬉しくもある。

そんな浅田に世間が大注目する中、私は「本郷理華」に注目したい。(浅田真央については、私以外の方がたくさん注目し書いてもくれているのでね。)

本郷理華…ご存じ、フィギュアスケーター鈴木明子を育てた名コーチ「長久保裕」の門下生である。昨年は、グランプリシリーズのファイナルに初参戦したが、繰り上げ参戦という運の良さもありはしたが、「世界の壁」を感じずにはいられない大会でもあった。

素人ながら見ていて、「この長身をもっとダイナミックに、かつ、繊細に堂々と活かした振付だったらなぁ」と感じていたのだが、今大会ではどうだ!

いやぁ、、、正直、驚いた。

私が鈴木明子のファンだからと贔屓目で見ているわけではなく、冷静にその演技を見つめていても、この1年でこんなにも成長出来るのか?と、目を見張った。

最初のショートプログラムは、先輩の鈴木明子が「振付師」として初めて仕事をしたということでも注目されたプログラム「キダム」。

こんなにキレのある振付が出来るんだ、あっこちゃん、本郷理華の演技を見ながらそう感じた。長身を活かすことを意識して振付られたその動きは、実にはまっていた。フィギュアスケートは足だけではない。手の動き含めた上半身の動きもとても大事であるが、スピードも最後まで落ちることなく、本郷はその期待に実によく応えていたのではないだろうか。

フリーは、ミヤケン先生こと宮本賢二の振付による「リバーダンス」。本郷が意識してか影響を受けてか偶然かは知らないが、リバーダンスを題材にしたプログラムは、鈴木明子も演じている。何か、いい意味で、鈴木明子テイストが本郷理華の表現面にオーバーラップして、絶妙な雰囲気を醸しだしているような、そんな面白さをも感じて、今シーズンのフィギュアスケートで初めて楽しさを覚えた。

ショートプログラム、フリーともに、いずれも最初から最後までスピードが落ちることなく、イキイキと演じていたのは凄かった。リバーダンスは結構激しい動きで体力を消耗するだろうに。

また、会場の観客を湧かせたという点では、浅田真央に負けてはいない。これは私の想像を超えて、観客を味方につけていた。あれだけのいい演技なら当然かも知れないが、「あっこちゃんのステップも魅力だったんだよ、本郷ちゃん。」と、テレビ画面に向かって心で独り言をつぶやきながら、この1年の間にこれほどまでに成長した本郷理華の演技を見ていて、ふと、町田樹のことを思い出していた。

町田樹も、「この1年にどんだけ成長したの!!」と、随分驚かされたものだった。

人って、コーチや振付やプログラムによっても、随分と成長するんだったなということを、再び思い起こさせてくれた本郷理華

一緒に見ていた母が、「本郷さん、伸びるね。」と。

高橋大輔が引退して、鈴木明子が引退して、町田樹が引退して、寂しさを感じないと言ったらウソになるが、本郷理華の活躍によって、ちょっと楽しくなってきた、そんな中国杯だった。

本郷ちゃん、良かったよ!!