【銀盤の舞】男も感動させた高橋大輔と羽生結弦— ある日の会話より —
「GPファイナルは、勿論ご覧になりましたよね?」
向かいの共有パソコンで作業をしていた男性職員が、突然話を切り出してきた。先週のことだった。
私 「えっと、フィギュアスケートのファイナルのことですか?!」
男性職員 「ええ。」
私 「勿論、見ましたよ。」
男性職員 「いやぁ、私、高橋大輔(フリー)に感動しましたよ。カッコ良かったっすね。」
私 「男の人もカッコいいって思います?」
男性職員 「思いますよ。いや、だって、あのステップとか・・・よく、あそこまで極めるなって、思いましたもん。あれは、凄いですよ!」
ブルースはブルースでも、難しい間合いの曲のテンポに、よくぞあそこまで、合わせてきたもんだと、クラシックが好きな彼は心底感心していた。
男性職員 「なかなか出来ないですよ、あそこまで・・・。」
私 「そうなんですよ、大輔良かったですよ!」
男性職員 「羽生君もなかなか良かったですね。彼のステップは、所謂今風な感じではなくて、古典的なステップでしたね。うん、良かった。」
曲のイメージもあっての振付けだったとは思うが、私が羽生結弦のフリーのステップ部分が好きな理由には、彼が言うところの「古典的」だということも、もしかするとあるのかも知れないと、何となしに思った。
私 「今の採点システムは分かりづらいですもんね。」
男性職員 「そうなんですよ。最近はやたら技術の追求になってきちゃったんで、昔程は感動が減りましたね。」
どうやら同じことを感じていたようだ。共感者がこんな身近にいたとは・・・。本当なら、もう少し突っ込んだ話をしたかったが、彼がフィギュアスケートが好きだなんて、今の今まで全く知らなかったものだから、突然話を振ってこられたことに正直「予想外」で驚いてしまい、妙な“意外感”が私を大人しくさせてしまった(苦笑)。
私 「フィギュアスケート、好きなんですか?」
男性職員 「ええ。・・・昔は、孤軍奮闘してましたよ(笑)。」
彼は岩手出身ではない。関東圏出身だ。岩手よりはフィギュアスケートも話題に上がりそうな気はしたが、男性でフィギュアスケート好きな人は、なかなか周囲に見つけにくいのだろう。ましてや、彼が小学生の頃だと高橋大輔はまだシニアデビューしていない。日本の男子シングルが今程は注目されておらず、女子シングルも伊藤みどりさん以降、荒川静香がトリノ五輪で金メダルを獲得するまで、しばし注目度が低い時期でもあった。
(・・・彼と一緒に働き始めて、1年半以上経っているんだが・・・フィギュアスケート好きって初めて聞いたな。もっと早く教えてよ(笑)。)
男性職員 「詳しくはないんですけどね・・・フィリップ・キャンデロロって分かります?」
私 「はい、はい、はい、はい(笑)。」
男性職員 「私、彼の演技が好きだったんですよ。スケーターにしては、男男してるっていうか・・・男っぽいところがね・・・。」
私 「・・・ん?よく知ってますね?キャンデロロを」
男性職員 「私が小学生の頃でしたから。」
えっと・・・私はいくつの頃だ?1、2、3、4・・・ん〜数えない、数えない(笑)。
男性職員 「キャンデロロは、採点システムが変わる丁度中間地点にいたというか・・・結局、新しい採点システムに乗り切れなかったというか・・・。」
仕事中だったこともあり、話はそこまでだったが、フィギュアスケートの話が出来る人が近くにいるということは、新婚さんだろうが素直に嬉しい(笑)。
男も認める高橋大輔と、充分魅力をアピール出来た羽生結弦が、今週は全日本選手権に進む。
今度こそ“快感”という名の湯船に、ゆっくり浸かりたい・・・。
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