長いことご愛読いただき、ありがとうございました。
バンクーバー五輪以降、細々と続けてまいりました当ブログですが、ここでいったん幕を閉じたいと思います。
スターズ・オン・アイス2016の東京公演の記事を楽しみにされていた方がいらっしゃったとしたら、大変申し訳ありません。
理由としましては、一言では言い表せないものがありますが、敢えて申し上げれば、スポナビブログサイトの大幅なシステム改変により、私自身にとっては「表現しづらくなった」ことがあります。
● コメント投稿が、スポナビIDかYahoo!IDのいずれかに絞られたことにより、活発な意見交換が出来なくなったこと。
● テンプレートが統一されてしまい、ブログパーツも貼り付けられなくなり、「ブログの個性」を表現しづらくなったこと。
● より専門性の高い記事を求められるようになったこと。
まず、これらの3点が理由にあります。
が…。
一番私の中で大きい理由は、別にあります。
● 有名選手が相次いで引退したことで、以前のようなフィギュアスケートへの情熱が薄れてしまっていること。
● 大好きで仕方のなかった高橋大輔氏の引退後の演技に、魅力を見いだせなくなっていること。
この二つが、一番大きい理由でしょうか…。
高橋大輔氏について
現役時代の大輔氏の演技を、生でみたことがありません。
現役最後かも知れないと思った、2014年の世界選手権にはどうしても行きたくて、エキシビションのチケットに応募し、当選出来ました。「現役の大ちゃんの演技を見られるのは、私にとってはこれが最初で最後のチャンスかも知れない」そう思って…。
ところが、足の負傷により出られなくなってしまいました。
エキシビションも欠場です。
大輔氏目的でチケットをゲットした私は、ガクっときました。
結局、現役時代の大輔氏の演技を生で見る機会にはとうとう恵まれず…。
それでも、鈴木明子さん、町田樹氏など好きな選手はいましたし、海外の有名スケーターの演技も見られるので、気持ちを切り替え、さいたまスーパーアリーナまで出かけました。(今となっては、スターズ・オン・アイスより、世界選手権エキシビションの方が、私には思い出深いショーとなりました。)
そこで…、
町田樹氏の演技に、心奪われてしまったのです。
(これについては、当ブログで過去にアップしています。)
大輔氏がいないので、「何かひとつでも自分にとって、心に残る演技と出会えたら本望」という思いで観覧していましたところ、第二部後半に町田樹氏登場。
驚きました…大ちゃんいないのに???…え????…マッチー???…え?え?
町田樹の放つ空気感が、会場全体を支配していって、息つくことを忘れさせるほど、高橋大輔がそこにいるような錯覚に陥ったのです。
これには、ひとつ、振付が宮本賢二先生だったこと、町田樹氏が高橋大輔をリスペクトしていたこと、これらが体中からぶわっと放たれていたんだろうと思います。
が、今になって思うことは、ある意味遅咲きとも言える町田樹氏は、「自分の引退時期」というものを模索していたのかも知れません。また、自ら振付を行うことの出来る彼は、エキシビションまでもひとつの作品と捉えていたのかも知れません。
色々な思いが、何重にもなって町田樹を作り上げていったのだろうと…。
2014年の世界選手権エキシビションでのナンバーも、私が勝手に「今思えば」的回想をすると、ある種の覚悟のような思いがあったのかも…時がたてばたつほどそのように感じられて仕方ないのです。他の方が何と言おうが…。
そんな町田樹氏の演技、ゾクゾクっと身震いしたくなるようなあの空気感が、2年たった今でも実は脳裏に焼き付いて離れないでいるのです。
大輔氏のいない世界選手権エキシビションの中で、町田樹氏の演技は想像以上に私を虜にしました。あの時の感動が、今も尾を引きづっている…のかも知れません。
昨年初めてスターズ・オン・アイスを見に行きました。
しかし、あろうことか大輔氏の演技をあまり覚えていないんです。
初めて念願かなって、生で大輔氏の演技を見ることになったある種「軽い緊張感」からだろうか…そう思っていましたが、どうやらそれは違いました。
今年のスターズ・オン・アイスで、人生二度目の高橋大輔氏の演技を生で見て、「何か、違う」そう感じたのです。
何が違う?
現役時代に、リンクに出てくるだけで会場を支配してしまうほど、熱く強い空気を放っていた彼、それはテレビ画面からも充分すぎるほど伝わってきていました。だから、心惹かれたのです。
何度も熱中し、何度も興奮し、「男子フィギュアスケートって面白い」って本当に感じさせてくれた人。
高橋大輔氏の功績はとても大きい、その思いは今も変わりません。
けれど…、
スターズ・オン・アイスでの彼の演技を見ていて、何というか、体中から湧き上がるような情熱やハートを、どういうわけか私は全く感じられず、キャッチ出来ずにいたのです。
昨年も今年も…。
アイスショーでは、グループ演技も楽しみのひとつとなっているのですが、そのグループ演技でも「大ちゃん、どこ?…あ、いた、いた」なんて、ファンの私が何故見失うんだろう…真央ちゃん、あっこちゃん、佳菜子ちゃん、織田君…遠目からでもすぐ分かるのに、何故、大ちゃんを見失うんだろうと、自分でも不思議で…。
「おかしいな、私は大輔ファンだよね?そうだよね??」変な話ですが、自問自答するなんていう日もありました。
今年になってから、ネットの対談記事みたいなものだったでしょうか、ちょっとソースを探せないんですけど、大輔氏の言葉の中には、将来どの方向に行くべきか、いまはまだ答えを見つけられていない、狭間にいるような、だから色々なことにチャレンジして…といったようなことを述べている記事を見つけたのです。
これだ!!
私が、引退後の彼の演技に以前のような魅力を見いだせなくなっている理由が、やっとわかったのです。
彼自身が、自分の方向性というものを模索している段階にあるから、それが「迷い」とまではいかないものの、現役時代の獲物を狙うかのような激しい目つきであったり表情であったり心であったり、そういった情熱が、今は現役時代のようには持ち合わせていない、だから、私の心にヒットしないんだなと。
技術力がどうの、表現力がどうのという「目に見える部分」だけが、私の心を鷲掴みにするというわけではないんです。
オーラというんでしょうか、空気感。
私生活においても、男女問わず「あの人、魅力的だな」とか「話しやすい人だな」と感じるのは、私にとっては空気感そのもの。
私が高橋大輔氏の演技に心惹かれたのも、技術力云々じゃない、彼の体から発せられる空気感に他ならない。
その空気感が、引退後の演技からは、少なくとも私自身のアンテナには、現役時代のように引っかかってはこなくなってしまったのです。
2014年の世界選手権エキシビションにおける、町田樹氏の演技が想像以上に瞼に焼き付いているだけに、それ以上のものを求めてしまう私がいることは否定しませんが、そこを差し引いても、今の大輔氏の演技には、グッとくるものを感じられず、そのことが私のフィギュアスケートそのものの楽しみ方を、迷わせている…そんな気もしないでもありません。
話はそれますが、私は、つんく♂さんが結構好きなんですが、今口から言葉を発せなくなってしまった状態にあっても、再びつんく♂さんの魅力を感じてきています。それでも、何年か前、「どうしたんだろう?最近のつんく♂さん、あんま、魅力を感じないなぁ」という時期があったんです。
その際、後で知ったことですが、テレビで「この先、どういう方向に進めていったらいいのか」彼は迷っている段階にあると知りました。
迷っている最中に作り出した作品には、以前のような勢いや魅力はない…当然と言えば当然です。
今のつんく♂さんは、声を失うという状況で、今自分に出来ること、今の自分だから出来ることは何か を懸命に考え、覚悟を持って仕事をされていますが、それがテレビを通しても、つんく♂さんの表情や空気に凄く表れている…。
大輔氏も、今、その途上にあるんだと思います。
だから、何年後か、必ず再び熱い情熱でもって、私の心を掴んでくる日がくるのではないだろうか…今はそう感じています。
それまで?か、再開するかどうかも分かりませんが、当ブログはここでいったん幕を閉じることにしました。
私自身が、以前のようにフィギュアスケートに熱中しきれなくなっているのに、専門性高い文章など書けるはずもありません。
中途半端な思いで書いたところで、読み手の方に失礼だろうと…。
別ブログを始めたのも、ここで書けることの限界を感じたからでもあります。
別ブログでは生息していますが、フィギュアスケートについては、ほぼ更新しないと思います。よほど心を震わせるものがあれば別ですが…。
長いこと、ご愛読いただいた皆様方、大変ありがとうございました。
以前よりコメント投稿したりお世話になっているブログには、ひょっこりコメントさせていただくこともあるとは思いますが、自ら記事を更新することは今日でいったん終了とさせていただきますが、ブログ自体は、閉鎖せず閲覧可能な状態にはしておきます。
今まで本当にありがとうございました。熱く、熱く、御礼申し上げます。
どうか、お体お大事に、笑顔でお過ごしください。
感謝を込めて。
y-loveやっち。
追記:そのスポーツが長く未来永劫、人々に愛されるために欠かせないのは、子供たちです。子供たちに愛されなければ、未来はありません。フィギュアスケートの魅力というのは、野球やサッカーと違い、個々のスケーターに委ねられるところがかなり大きいです。そのため、個々のスケーターの一挙手一投足、発言や行動に、より、人々は注目していきます。そのため、「言いたくても言えない」ことも少なくないものと想像します。もっと、一人一人のスケーターが自由に発言出来る環境であるといいのですが、マスコミがそれを妨げてしまうところ、少なくありません。
それでも、今までの状態でフィギュアスケート界の未来が明るい…とは、私には思えません。
より一層、地域に愛される、子供たちに愛される、そんな明るい未来に、フィギュアスケート界もなってくれたら…と、切に願います。