銀盤の舞-フィギュアスケートエトセトラ-

スポナビ+ブログから引っ越してきました。

基本のスケーティング — かつてのコンパルソリーの重要性 —

台風は、我が県も通過していきましたが、一部地域の停電 ( 信号機停電等 ) 以外に、大きな被害はなかった模様…。

ですが、北海道地域は被害が大きかった様子。

お見舞い申し上げます。

そんな天候不順の中、遠方からアイスショーに足を運ぶ方もいらっしゃるかと思うと、どうか無事に楽しむことが出来ますように…。

さてさて…

話は基本のスケーティングについてです。

昨年、男子シングルの高橋大輔選手が、足の大怪我を乗り越えて見事「復帰」したことは、周知の事実です。

その一連のインタビューや書籍の文字から、驚かされたことがあります。

大輔選手のようにジャンプが得意な選手ともなると、日頃の練習では、ジャンプに時間を割く時間がどうしても多くなって、本来、基本中の基本であるスケーティング練習に対する時間が、かなり…削られてしまっていた…とのこと。

リハビリ中は、ドクターストップもあり、ジャンプはおろか、やっとリンクに立ち、ノロノロと滑ることしか出来なかった…そのため、長光コーチは、自身が選手時代に必須であった、「コンパルソリー」( 決められた円をなぞるように滑ったり、八の時を描くなどして、スケーティング技量を競ったもの。ショートプログラムの前に行われたが、コンパルソリーが苦手な選手は、出遅れることもあった。現在は、廃止されている。 )の経験から、基本であるスケーティングを、リハビリ中は地道に指導した…と聞いています。

長光コーチも、「それが逆に、良かったと思います。」と、後に語っていますが、この話を聞いて、考えさせられました。

怪我する以前と、復帰後の大輔選手のリンクでの演技を見比べると、明らかに復帰後が、格段素晴らしくなっていることが、素人の目にもよく分かります。

①ステップとターンの種類が増えたこと

②シットスピン ( しゃがんだ姿勢でのスピン )の位置取りが、より地面に近く低くなったこと

③全体的なスケーティングが、より滑らかになったことで、曲の雰囲気も表現しやすく感じられる…

等々、如実に「効果」は顕れていたように思います。

正に、「怪我の巧妙」だったんだなと…。

高橋大輔選手の例をあげましたが、やはり「基礎練習」というものは、どんなに優れた選手であっても、トップクラスになった選手であっても、大事なことであるということを、つくづく実感した次第です。

( コンパルソリー時代の選手の方が、スケーティングが美しい…そう、感じられている方は、少なくないようです…。)

ショートプログラムの前に、再び「コンパルソリー」をとは、甚だ思ってはいません。競技時間が長くなりますし、コンパルソリーは地味なので、過去、テレビ放送もほとんどなかった。

しかしながら、コンパルソリーに学ぶ要素は、当時、物心ついたくらいの私が考える以上に、かなりの重要な「意義」があったんだと、今となってはそう感じます。

ジャンプやステップ、ターン、… 当然大事な要素ですが、それらをこなすためには、柔軟な身体と基礎となるスケーティングを、しっかり練習することが、やはり大事なことなんだと思います。

いつの時代も、どんな世界にも、老若男女、「基礎固め」は、絶対に欠かすことの出来ない、必須項目である、今改めて、感じています。

「その先、向上していくために…」

「不調に陥った時に…」

基本が出来ている人は、スランプになっても、必ずや調子を取り戻す。

8月14日、15日は、プリンスアイスワールドの岡崎公演がありますね。

羽ばたけ、フィギュアの選手達〜!